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スーパーラグビーで活躍も報道されない? ツイ ヘンドリックの知られざる思い【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ワールドカップ期間中のツイ。当時のジャパンではチームソングも作った。(写真:ロイター/アフロ)

南半球主体の国際リーグ、スーパーラグビーは今季ここまで第7節を消化。昨秋のワールドカップイングランド大会で歴史的な3勝を挙げた日本代表のメンバーも複数、挑戦している。

なかでも出色の働きを示しているのが、ツイ ヘンドリックだ。日本では帝京大学、パナソニックを経ていまはサントリーに在籍する28歳。新加入のフルバック五郎丸歩が新加入したオーストラリアのレッズで、2シーズン目を過ごしている。身長189センチ、体重107キロのフランカーとして、開幕から全試合で先発中である。自慢の突破力で信頼を勝ち取っている。

4月9日、ブリスベンのサンコープスタジアムでの第7節では、昨季王者のハイランダーズを序盤から圧倒。スコアを28-27とし、今季初勝利に喜んだ。

日本から初参戦するサンウルブズとは、5月21日に第13節で対戦予定。こちらもサンコープでおこなわれる。

大活躍ながらなかなかクローズアップされる機会が少ないツイだが、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチが率いる日本代表でも不動のメンバーとされてきた。イングランド大会の直前にはウイングでのプレーも課されるなど、難しい役割を全うした。

9月18日にはブライトンコミュニティースタジアムでの予選プール初戦では、ナンバーエイトの先発として過去優勝2回の南アフリカ代表と激突。34-32と金星を挙げた。以後は全試合でリザーブ出場を果たした。

昨年の11月中旬、都内のサントリーのクラブハウスで単独取材に応じている。通訳を介し、ワールドカップの時などの思い出を語っている。

以下、その時の一問一答(一部)。

――帰国した成田空港には、多くのファンが待っていました。

「日本をサポートしてくれて嬉しかったです。代表でプレーした選手たちとは、全員が同じチームとして一緒にプレーすることはもうないと思っていました。そのことを思うと、寂しい気持ちもありました。ただ、ワールドカップで達成したことは、自分の人生のなかでもで大きなものだと思います」

――帰国会見では、「何でもない些細なことが特別な思い出」といった旨のメッセージを発していました。

「それは、ラグビーのこととは違うことだったかもしれません。チームに小さなグループがたくさんあって、それぞれが楽しんでいるところがありました。(笑みを浮かべて)彼らが何をやったかを具体的には言えませんが、楽しい思い出がたくさんありました」

――ツイ選手は。

「僕とマレ(サウ、センター)、ブローディー(=マイケル・ブロードハースト、フランカー)、カーン(ヘスケス、ウイング)と一緒にいました。そこへ田村(優、センター)も加わりました」

――春先からのチームの宮崎合宿に合流したのは、レッズでのシーズンを終えた7月から。

「皆、自分たちがそれまでやってきた以上にフィットネス練習をしていました。復帰して日本代表のジャージィを着られたことは、すごく嬉しく思いました。僕のコンディションはよかったです。ウイングのポジションもカバーしなくてはならなくなり、メンタル的に迷っているところは少しありました。ただ、それに対するサポートも得られました」

――9月上旬、イングランドでおこなわれたジョージア代表との壮行試合では、慣れないウイングで先発しました。

「もともと、8月に日本であったウルグアイ代表戦でもウイングでプレーするプランがありました。ジョージア代表戦が終わった時は、(無事にプレーできて)ホッとしました。難しかったのはディフェンスでの役割です。他のウイングとゴロー(五郎丸歩)と連携しながら、(相手がキックを蹴ってくる)後ろのスペースをカバーする…。大会に入ってからも、フォワードとウイング、両方の役割を練習していました。南アフリカ代表戦の前も、もしウイングでプレーするケースが起こる時のために、コーチと相手バックスの動きを確認していました。タフでしたが何とか、やり切りました。次にウイングをやる時は、もう少し自信を持ってできます」

――ファンが感動した南アフリカ代表戦についても伺います。後半開始して間もなく退きましたが…。

「相手のタックルは高い。我々のコンタクトは低く、速く。これを確認しました。フィットネスがあったので、80分間走り切る自信はありました。もちろん、(長時間プレーできなかったのは)残念でした。でも、僕もチームプレーヤーです。チームにベストなことを考えて…ということだったと思います」

――いまの目標は。

「ワールドカップの時は、選手たちが主体でやっていく意識が高まっていました。成功の理由はそこも大きい。選手がチームをリードして、選手が高い基準を持っていたワールドカップで成功した部分を、引き継いでいきたい。自分としてもベーシックを高めて、サントリーのリーダーとして安定したパフォーマンスをおこないたいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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