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日本サッカーの歴史的危機?若きジャパンはなぜパリ五輪出場がピンチと言われるのか? #専門家のまとめ

元川悦子スポーツジャーナリスト
15日開幕のパリ五輪アジア最終予選に挑むU-23日本代表の大岩剛監督(筆者撮影)

4月15日にカタールで開幕するAFC・U-23アジアカップ。パリ五輪アジア最終予選を兼ねたこの大会で、日本は3位以内に入らなければ、本大会切符を得られない。だが、今回の大岩剛監督率いる若きジャパンは「96年アトランタ五輪から7大会続いてきた連続出場記録が止まるかもしれない」と不安視されている。なぜ彼らはそこまで困難な状況に瀕しているのか。改めて深掘りしてみた。

ココがポイント

▼A代表で活躍する久保建英も鈴木彩艶も不在。今回のメンバー23人はパリ五輪世代のベストではないと言われる

【U23日本代表】アジア杯カタール大会メンバー発表 海外組召集ハードル高く、久保建英ら選外(日刊スポーツ)

▼日本はグループステージから中国・韓国・UAEと同組。準々決勝でオーストラリアやカタールと激突も。非常に高い3位以内のハードル

U-23アジア杯“死の組”に海外専門メディアが異例の関心! 「2度目のトロフィーを目指す」日韓に言及も(THE DIGEST)

▼「危機感しかない」と語気を強めたJFAの山本昌邦ナショナルチームダイレクター。背景にあるコロナ禍の影響に言及

【LIVE】U-23日本代表 メンバー発表会見(AFC U23アジアカップ カタール2024=JFA TV)

▼JFAの宮本恒靖新会長も「8大会連続出場権獲得の重要性」を強調

8大会連続で五輪出場へ!宮本新会長がエール「重圧を乗り越えてこそ。強国になるために」「誰かがやってくれるじゃなくて」(サッカーダイジェストWeb)

エキスパートの補足・見解

2001年以降生まれのパリ五輪世代は20歳前後の時期にコロナ禍を経験。今回の主力である細谷真大(柏)や山本理仁、藤田譲瑠チマ(ともにシントトロイデン)らは2021年に開催されるはずだったU-20W杯が中止になり、アジア予選も経験できなかった。松木玖生(FC東京)ら2003年以降生まれの選手は2023年U-20W杯に参戦したもののグループリーグ敗退。国際舞台で修羅場をくぐった経験が圧倒的に少ないのが最大の懸念材料だ。しかも、今回の最終予選は代表ウイークでない4月開催。リーグ終盤を迎えている欧州クラブが選手派遣を認めるわけがない。酷暑のカタールでの連戦と体力的にも不安のある中、彼らは高いハードルを越えられるのか。日本サッカー界の未来を左右する重要な戦いから目が離せない。

スポーツジャーナリスト

1967年長野県松本市生まれ。千葉大学法経学部卒業後、業界紙、夕刊紙記者を経て、94年からフリーに。日本代表は非公開練習でもせっせと通って選手のコメントを取り、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは94年アメリカ大会から7回連続で現地へ赴いた。近年は他の競技や環境・インフラなどの取材も手掛ける。

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