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久保建英に、何が必要か。ソシエダの「偽SB」へのアプローチと避けたい攻撃時のパワーダウン。

森田泰史スポーツライター
ボールをコントロールする久保(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

調子が、上がってこない。

レアル・ソシエダはリーガエスパニョーラ第3節、ラス・パルマスに引き分けた。ジローナ戦(1−1)、セルタ戦(0−0)に続き、3試合連続ドローという結果に終わっている。

ドリブルを仕掛ける久保
ドリブルを仕掛ける久保写真:なかしまだいすけ/アフロ

「ラ・レアルはリーガエスパニョーラに遅刻している」

地元メディア『ノティシアス・デ・ギプスコア』はそのように書き立てた。遅刻している、とは言い得て妙だが、問題はその遅れを取り戻せるかどうかだ。

■ダビド・シルバの抜けた穴

これからも幾度となく触れることになるだろうが、ソシエダはこの夏にダビド・シルバが引退を決断した。

引退を決めたダビド・シルバ
引退を決めたダビド・シルバ写真:ムツ・カワモリ/アフロ

シルバが抜け、空いた穴は塞がっていない。【4−4−2】でトップ下、【4−3−3】でインサイドハーフを務めていたシルバが果たしていた役割は大きかった。攻撃では、前線でラストパスを供給するだけではなく、時にビルドアップに参加して後方からの球出しを助けていた。

またシルバは守備面でも貢献していた。久保建英、アレクサンダー・スルロットの2トップと協働して、「3枚プレス」を行った。久保とスルロットが両脇をケアして、シルバが中央を閉める。アタッキングサードで奪ってショートカウンター。あるいは、そう行かなくとも中盤でミケル・メリーノやマルティン・スビメンディがボールを回収するシーンが多々あった。

■スビメンディを潰されて

シルバのいないソシエダを封じるのは難しくない。アンカーのスビメンディを潰せばいいのである。

4バックのソシエダは、基本的に両SBが高い位置を取る。そして、2CB+アンカーで、ボールを前進させていく。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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