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新生マドリーは、どうなるか。エムバペの在・不在とアンチェロッティのプラン。

森田泰史スポーツライター
競り合うカルバハルとエムバペ(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

ボールが本格的に走り始めるのは、まだ先だ。

2022−23シーズン、リーガエスパニョーラを制したのはバルセロナだった。一方で、2023−24シーズン、またそのプレシーズンに向け、野心を燃やしているのがレアル・マドリーである。

新たなシーズンに向かうマドリー
新たなシーズンに向かうマドリー写真:ロイター/アフロ

マドリーはキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)の獲得を検討している。だがエムバペの在・不在にかかわらず、カルロ・アンチェロッティ監督はチーム作りを進めていかなければいけない。

そのような状況で、ここでは、「新生マドリー」について考えてみたい。

■着々と補強を進める

ジュード・ベリンガムとアルダ・ギュレルの獲得、フラン・ガルシアとホセルの再獲得、ブライム・ディアスのレンタルバックが、すでに決まっている。

最注目はベリンガムだろう。20歳ながら、ボルシア・ドルトムントとイングランド代表で主力になっている。カタール・ワールドカップに出場するなど、若くして豊富な経験を備えている選手だ。

マドリーに移籍したベリンガム
マドリーに移籍したベリンガム写真:ロイター/アフロ

昨季、マドリーはコパ・デル・レイで優勝した。しかし、主要タイトルで獲得したのは、その一つだけだった。

理由は明白だ。「カゼミロの移籍」である。そして、それに伴った「チュアメニへの過信」だ。

■システムの維持と崩壊

近年、マドリーは【4−3−3】を基本布陣にしてきた。だがそのシステムを維持できたのは、アンカーにカゼミロがいたからである。

同システムでアンカーポジションにオウレリアン・チュアメニを据えるというプランは、うまくいかなかった。

アンチェロッティ監督が、シーズン終盤にチュアメニをスタメンから外したのは偶然ではない。その布陣とやり方に、指揮官自身が限界を感じていたのだ。

そこで浮かんでくるのが、システムチェンジの可能性である。

■布陣変更の可能性

マドリーのシステム変更を考えた時、推したいのが【4−2−3−1】だ。

【4−3−3】の維持は得策ではない、というのが個人的な見解だ。カゼミロがいない以上、一旦、そこから離れる必要がある。

例えば、ダブルボランチにベリンガムとトニ・クロースを置く。エドゥアルド・カマヴィンガ、フェデリコ・バルベルデ、チュアメニと回しながらでもいい。いずれにせよ、重要なのはボランチを2枚にすることだ。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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