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カタールに巨大竜巻 雨季突入で"歓喜"のドーハに"寒気"も

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
カタールとその周辺の衛星画像 (9日。出典はNASA Worldview)

ドーハを歓喜の地に変えた、ワールドカップ日本代表が帰国しました。強国相手に大活躍する選手たちの姿は実にかっこよく、大きな感動をいただきました。

その日本チームがドーハを発った7日(水)、カタールではある珍しい現象が起きていました。それは、複数の巨大な竜巻です。

まず、ドーハから北に80キロ離れたラスラファンという町では、下の動画に映る竜巻が出現しました。砂を巻き上げながら、茶色く大きな垂直の渦が回転しています。よく見てみると、その後ろにも弱い竜巻のようなものが見えています。

また同じ日、他の場所でも竜巻が発生しました。どちらの竜巻も巻き込まれたらひとたまりもなさそうな大きさでしたが、これまでのところケガ人などの報告はありません。

よく砂の渦巻きというと、夏場に校庭に現れる砂嵐を連想させます。しかし今回カタールで発生した渦巻きは、上空の雲とつながっており、もっと規模の大きな竜巻へと発達しています。

雨季に突入するカタール

カタールのような砂漠に広がる国では、竜巻は珍しい現象ですが、全くないわけではありません。2016年11月と2019年11月にも発生し、民家に被害をもたらしています。

11月から4月はカタールの雨季にあたります。そもそも年間降水量は70ミリ程度の乾いた国ですが、そのほとんどの雨は雨季に一気に降ります。乾いた大地が急に川のように変わることも少なくありません。

同国はサイクロンも地震もないことから、世界でもっとも災害リスクの少ない国とされていますが、雨季には洪水が起きたり、まれに竜巻が発生したりして被害が出ることがあります。

雨のワールドカップ

雨季に突入している今、ワールドカップの試合にも影響が出る可能性が出ています。

これまでは連日のように晴れて、30度近い高温が続いていましたが、ワールドカップのクオーターファイナルが始まる現地時間9日(金)以降は、気温や空模様に大きな変化がありそうです。

ではドーハの天気予報を見てみましょう。

9日(金)は晴れるものの、気温がやや下がる見込みです。

しかし翌10日(土)には、雨の予想が出ています。北西風も吹いて気温がぐっと下がり、最高気温でも22度予想です。そうなれば今年2月以来の低温となります。

一時的ではありますが、"歓喜"のドーハは今週、真冬並みの"寒気"に包まれることになりそうです。

Arabia Weatherによるドーハの天気予報をもとに筆者作成
Arabia Weatherによるドーハの天気予報をもとに筆者作成

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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