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ゴルフ場に『巨大すぎるワニ』が出現 ハリケーン「イータ」接近中のフロリダ

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

台風が去ったあと、庭に「国産うなぎ」が現れた。そんな嘘のようなニュースを昨年耳にしましたが、フロリダ州の場合は次元が違うようです。

11日(水)ハリケーン「イータ」が接近したフロリダ州ネイプルズのゴルフ場に、巨大なワニが現れたのです。

下がその画像です。まるで映画『ジュラシックパーク』に出てくる恐竜を連想させるような、現実とは思えないようなサイズのワニです。これほどの太い尻尾にはたかれたら、人もゴルフボールのごとく遠くに飛んで行ってしまうでしょう。

撮影者のテイラー・ストルティングさんは、17番ホールをカートで移動しているときに、たまたまこのワニを発見したそうです。

このゴルフ場では、よくワニを見かけるそうですが、これほど巨大なものは初めてだったとのこと。ストルティングさんは警察に通報せず、ただただワニが水辺に戻るのを見守っていたそうです。

タンパ・ベイ・タイムスの記事によると、この種のワニはいわゆるアリゲーターで、クロコダイルと異なって人に危害を加えることはほとんどないようです。

奇妙な姿で越冬する爬虫類たち

「サンシャイン・ステート(州)」の異名を持つ温暖なフロリダは、退職後の移住先として全米一位二位を争うほど人気の場所です。

快適な天候を求めて集まるのは爬虫類も同じで、ワニ、ヘビ、イグアナなども多数生息しています。

しかし温暖とはいえ、時には厳しい寒さに見舞われることもあります。そんなときに、この動物たちは想像を絶する方法で冬を越えるのです。

たとえばワニは、下の動画のように凍った川の中から鼻だけ水上に出し、冬眠します。その姿は実に異様です。

イグアナの場合はさらに奇妙で、手足を広げて固まった状態で木から降ってくることがあります。イグアナは気温が低くなると代謝も下がって、無駄なエネルギーを使わないように動きを止めたりするそうです。

昨冬フロリダに寒波が襲った際には、気象局が「今夜イグアナが降ってくる」と注意喚起をしていました。

しかしイグアナもかわいそうで、死んだように固まったイグアナはそのまま人に捕獲され、食用として市場で売られてしまうことがあるようです。

フロリダの人は肝が据わっています。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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