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ちらっと見える私生活で視聴率アップ、在宅勤務でも頑張るキャスターたち

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
(写真:アフロ)

在宅勤務の波はテレビ業界にも及んで、馴染みの芸能人やコメンテーターが家から登場している番組をよく見かけるようになりました。

私の目下の楽しみは、背景に映る家の様子。

主流なのは、壁、カーテン、本棚ですが、中には生活感あふれる家の様子を見せてくれる人もいます。そんな時は、いつもは見られない私生活を見せてくれたようで、心がほっこりしたりもします。

ウェザーキャット

アメリカでは、気象キャスターが自宅から天気予報をすることが当たり前のようになっています。そんな中、猫を天気予報に登場させて、視聴者の心をつかんでいる放送局があるようです。

【映像はこちらから見られます】

インディアナ州の気象キャスター、ジェフ・ライオンズさんは、新型コロナウイルスの影響で、自宅のキッチンから天気予報を放送しています。「30秒で仕事場に行けるんだ」と、在宅勤務に上機嫌のジェフさん。ある時、愛猫のベティを抱いて登場したところ、これが大当たりとなりました。

視聴者が急増し、イギリスやオーストラリアなど、地元の天気予報を必要としない地域にまで、視聴者層が広がったそうです。34年のキャリアのあるジェフさんも、これにはびっくりで「クレイジーで面食らっている」と発言するほど。

猫のベティは人気者になって、単独のコーナーもできたとか。そのタイトルは、「ベティ・ザ・ウェザーキャット(Betty the Weathercat)」で、かなりの好評を博しているそうです。

声でテレビ出演のイヌ

ジェフさんのように、在宅勤務でペットと過ごせて喜んでいる人もいれば、ペットの鳴き声、子供や同居人の声に邪魔されて、なかなか仕事に集中できないという人も多いかと思います。

ミシシッピ州の気象キャスター、スコット・コーネルさんも同じ悩みを抱えているようです。

スコットさんが自宅から、30秒間のテレビ告知を撮影中のこと。たった30秒の録画なのに、愛犬メープルは静かにしていることができません。どうしても鳴き声が入ってしまうのです。

でもスコットさんはあきらめず、何度も何度も撮影をやり直します。そんな、うまくいかず努力する姿に、人々は同情を寄せているというのです。

お腹丸出しのお父さん

邪魔をするのは、ペットだけではありません。

フロリダ州のキャスター、ジェシカ・ラングさんがキッチンで撮影をしていたときのこと。お母さんをカメラマンにして、試行錯誤し、28テイク目の収録中のことでした。

突然、シャツを着ながら現れる、ぽっこりお腹のお父さんが登場しました。お父さんに声を荒げるジェシカさんですが、お父さんはもっと気の毒なはずです。後日ジェシカさんはこの動画をSNSにあげてしまったのです。

こんな、のほほんとしたプライベートな光景が、在宅勤務に悩む人々を含め、多くの人たちの共感を呼んでいるようです。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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