近づくなかれ インドの海岸で発生している泡が危険なわけ

チェンナイのビーチに出現した大量の泡(写真:ロイター/アフロ)

寒風吹きすさぶ日本海で、たまに見られる現象に「波の花」があります。まるで演歌の曲名にもなりそうな風情のある名前ですが、この波の花とは、海で発生する泡を指します。その様は花のようにも、バブルバスのようにも見えます。

「波の花」の気象条件

波の花は、海の中のプランクトンや海藻に含まれる粘液が荒波に揉まれて、石鹸のように泡立つことで発生します。日本気象協会によると、この波の花ができる気象条件は、気温0℃以下、風速13m/s以上、そして波の高さは4メートルなのだそうです。今日も北海道・留萌の海岸でこの波の花が発生しました。

(↑2016年に留萌で発生した波の花)

インドの泡は有害

波の花は英語でシーフォーム(sea foam)と呼ばれます。アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの海岸でもたびたび見られる現象です。

しかしながら、同じ泡でもインドで発生する海の泡は、体に悪いものの代名詞です。

先月29日から、インド東部チェンナイのマリーナビーチで、大量の泡が発生し、海岸線一帯を覆いつくしています。下の動画はその様子を撮ったものです。泡からは刺激臭が漂っているらしいのですが、少年たちが楽しそうに泡まみれになって遊んでいる様子が写っています。

泡の正体は?

この泡の正体は何でしょうか。

これは大雨により川から流れ出た未処理の下水や工場排水などが、洗剤のカスなどにより泡立ったもので、細菌や高濃度のリンといった有害な物質を含んでいるのだそうです。

当局は、この泡は皮膚にダメージをもたらす恐れがあると注意を呼び掛けています。実際過去にはこの泡の影響で大量の魚が死んだり、2015年にはインド南部のバンガロールで車の塗料が剥がれたり、呼吸器系の疾患の患者が増えたりしたそうです。それでもなお、泡で遊ぶ子供が数多くいるようなのです。

チェンナイやインドの大都市の下水は40%しか適切に処理されておらず、専門家は「インドの海岸にとって、汚染は海面上昇より脅威である」と語っています。

*参考記事*

"Toxic Foam Blankets Chennai's Marina Beach, Causes Pollution Hazard" (NDTV)