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続く脅威…「台風24号」週末から週明けに日本直撃か

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
台風24号の衛星画像 (26日、提供:NOAA)

今年5個目となる「猛烈な台風」に発達した24号は、左右対称の雲と明瞭な目が特徴的です。現在はやや弱まったものの、週末には南西諸島に最接近し、週明けには九州や本州に上陸するおそれが出ています。

24号の現況

26日(水)6時時点の台風24号(国際名チャーミー)の中心気圧は935hPa、最大風速は50メートルの「大型」で「非常に強い(上から2番目に強い)」勢力です。米軍合同台風警報センターによると、進行速度は時速5.5キロで、これは人の歩く速さとほぼ同じです。

予想進路

26日6時発表の予想進路図 (提供:気象庁)
26日6時発表の予想進路図 (提供:気象庁)

24号は27日(木)にかけて、沖縄の南東の海上に居座る見込みですが、その後北上し、週末には「非常に強い」勢力で南西諸島に最接近するおそれがあります。沖縄知事選投開票が30日(日)に予定されているのを受けて、一部の離島では投票日を前倒しするもようです。

週明けには、九州や本州に最接近または上陸する可能性が高まっています。すでに秋雨前線の影響で大雨が降っているところもあり、土砂災害の危険が一層増すことが心配されます。上陸すれば今年5個目となり、史上5番目に上陸数が多い年となります。

特徴的な形

25日の衛星写真 (提供:NOAA)
25日の衛星写真 (提供:NOAA)

台風24号は、左右対称の円形と明瞭な大きな目が特徴的です。

測ってみると、25日(火)目の直径は約100キロもありました。これは東京と富士山の間の地域をすっぽりと覆ってしまうほどの大きさです。一般的に目の直径が85キロ以上だと大きな目といわれることもあるので、24号もその一例といえます。

活発な北西太平洋

日本近海を含む北西太平洋は、世界で最も台風(ハリケーン、サイクロンを含む)が発達しやすい海域といわれています。全世界では年間約80個の台風ができますが、そのうち26個は北西太平洋で発生します。

ただですら台風の発生が活発な海域ですが、今年は平年を大きく上回るペースで台風が発生しています。9月中に24個目の台風が発生したのは1994年以来のことです。

また今年は強い台風が多く発生しています。今年はこれまでに中心気圧が915hPa以下の台風が5つ発生していますが、これは1971年以来のことです。

台風の勢力が、特に近年強くなっているというデータはあまりありませんが、アジア諸国への上陸時の勢力に限ってみると、ここ40年間で12-15%強くなっているという報告があります。

今月初めに関西を直撃した21号も記録的高潮や暴風をもたらしましたし、台風23号は先週、香港史上最大級の勢力で上陸し、未曾有の被害を出しました。

(↑23号直撃時の香港の様子)

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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