【北朝鮮】記録的熱波のあとの大洪水 死者・行方不明者150人超

29日の衛星画像。前線がかかっている北朝鮮。(画像元:NASA)

今夏、日本は記録的大雨や熱波に見舞われましたが、北朝鮮でも同じく激甚な災害が発生しています。7月から8月中旬にかけては未曾有の熱波が襲い、その後は台風と秋雨前線の影響で大規模な洪水が発生して、多数の死者が報告されています。

記録的熱波

朝鮮半島は7月から8月にかけて、チベット高気圧と太平洋高気圧の影響により記録的な熱波に襲われました。

8月1日には平壌で気温が37.8℃まで上昇し、観測史上最高となったほか、韓国・洪川では気温が41.0℃まで上がり、韓国の国内最高気温記録を76年ぶりに更新しました。韓国では例年を大幅に上回る人数が熱中症になり、300万頭の家畜が死んだと伝えられました。

一方北朝鮮では深刻な農作物被害が起き、労働新聞は「高温や干ばつとの闘いにすべての力を総動員しなければならない」と国民に呼びかけたほどでした。

記録的大雨

熱波が終焉を迎えたのは8月後半でした。台風に伴う大雨が降ったのを境に、気温が下がったのです。しかし今度は乾いた大地に大雨が降り、大洪水が起きてしまいました。

8月23~24日の天気図 (画像元:ウェザーマップ)
8月23~24日の天気図 (画像元:ウェザーマップ)

8月24日、台風19号が韓国に上陸、済州島に約1,100ミリの大雨を降らせるなど、大きな被害を出しました。一方で北朝鮮でも洪水が起き、東部の咸鏡南道では10人が死亡、5万8千人が家を失ったのです。

8月28~30日の天気図 (画像元:ウェザーマップ)
8月28~30日の天気図 (画像元:ウェザーマップ)

その後8月28日から30日にかけては秋雨前線が停滞し、Korean Central TVによると30時間で678ミリの記録的な大雨が降ったということです。多数の学校や医療施設が破壊され、数万人が家を失いました。

南部に位置する黄海北道と黄海南道では、洪水や土砂崩れにより76人が死亡、75人が行方不明と赤十字が発表しています。なお行方不明者の大多数は子供だということです。

増える天災

近年北朝鮮では、干ばつや洪水が頻繁に発生しています。

例えば2016年には、台風10号から変わった低気圧により、500人以上が亡くなる「建国以来最悪」の洪水が発生し、反対に翌年には16年ぶりの大干ばつが起こりました。

北朝鮮の気象局によると、ここ100年間の国内の年間平均気温は1.9℃、特に北部では3℃も上昇しているということです。こうした気温変化が極端な気象現象を発生させ、食糧難により国民を飢餓に追い込む一因となっているのです。