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近畿は今週末が最大のヤマ! 兵庫では、負けたら近畿大会アウトの因縁対決も! センバツへの道険し

森本栄浩毎日放送アナウンサー
近畿で注目は、兵庫の報徳と神戸国際大付の対決。負けたら近畿アウトだ(筆者撮影)

 センバツをめざす全国の戦いがいよいよ本格化し、地区大会出場校も名乗りをあげている。慶応(神奈川)、仙台育英(宮城)に続き、岩手からは今夏甲子園8強の花巻東の敗退が伝えられた。ハイレベルの近畿は、今週末に近畿大会出場校が決まり始める。近畿大会(10月21日開幕、大阪・舞洲)には、大阪、兵庫、滋賀、奈良から3校。京都と和歌山から2校が出場する。

報徳と神戸国際大付が準々決勝で対決~兵庫

 A、社-尼崎工

 B、報徳学園-神戸国際大付

 C、長田-西脇工

 D、須磨翔風-彩星工科

※準決勝の対戦はA-B、C-Dで、決勝と3位決定戦は10月7日の予定。

 前チームでも激戦を展開した報徳学園と神戸国際大付が早期対決。敗れたチームは近畿大会に進めない。両校とも前チームから活躍していた投手が健在で、僅差の熱戦が予想される。報徳はエース・間木歩(2年・主将=タイトル写真)、今朝丸裕喜(2年)ら、今春センバツ準優勝に貢献した投手陣が万全の仕上がり。神戸国際大付もエース・津嘉山憲志郎(2年=主将)が4番打者として、投打でチームを牽引する。ちなみに前チームは報徳の2勝1敗で、夏は5回戦で当たり、神戸国際大付が勝った。彩星工科は、神戸村野工として甲子園経験(春2、夏1)がある名門で、横浜(神奈川)を甲子園へ4回(春1、夏3)も導いた平田徹監督(40)が率いる。スタメン全員が1年生というフレッシュなチームで、須磨翔風の好投手・槙野遥斗(2年)にどこまで食い下がれるか。名門進学校の長田、4大会連続の甲子園を狙う社なども注目で、今季も兵庫は話題に事欠かない。

近江の独走を止めるチームは出現するか~滋賀

 A、近江-滋賀短大付

 B、彦根総合-近江兄弟社

 C、滋賀学園-草津東

 D、八幡商-水口

※準決勝の対戦はA-B、C-Dで、決勝と3位決定戦は10月7日の予定。

 夏の4強がシードされたが、新チームになっても上位陣の顔ぶれはあまり変わっていない。県内で独走状態の近江は選手層が厚く、総合力は前チームを上回る。左腕・河越大輝(2年)、速球派右腕の西山恒誠(2年)は夏の甲子園でも好投した。打線も甲子園で2安打を放った中村駿介(2年=主将)を軸に、多彩な攻めを見せる。今春センバツに初出場した彦根総合は、総入れ替えとなる投手陣の整備が「打倒・近江」のポイントになるだろう。滋賀学園は好遊撃手の岩井天史(2年)ら、野手レベルが高い。八幡商と水口の伝統公立校対決にも注目したい。

2強に迫る奈良大付、高田商の戦いぶりに注目~奈良

 A、奈良大付-天理

 B、奈良北-橿原学院

 C、高田商-五條

 D、智弁学園-法隆寺国際

※準々決勝は2日間開催で、10月7日の準決勝はA-B、C-D。8日に決勝と3位決定戦。

 2強の天理と智弁学園が順調に勝ち進んでいる。天理は主砲の松本大和(2年)を軸に伝統の強打は健在で、下坊大陸赤埴幸輝の1年生コンビが打線を活気づける。左腕・麻田悠介(2年)ら投手陣の踏ん張りがカギになる。対戦相手の奈良大付は2強に迫る力があり、前チームは夏に14-15で惜敗した。智弁学園は甲子園の初戦で先発した田中謙心(1年)ら投手陣が充実し、打線では1番を打つ知花琉綺亜(2年)に注目。夏の甲子園では3試合で7安打を放った。高田商は近年、天理に強く、直近の夏にも勝っている。昨秋の近畿大会で完封勝ちした左腕・仲井颯太(2年)が健在なのは心強い。

平安が敗れ、強豪がつぶし合って混戦模様~京都

 A、福知山成美-京都国際

 B、京都精華学園-立命館宇治

 C、塔南・開建-京都文教

 D、北嵯峨-京都外大西

※準々決勝は2日間開催で、10月7日の準決勝はA-B、C-D。8日に決勝。

 京都国際、立命館宇治のゾーンに強豪が集中し、つぶし合った。昨秋優勝の乙訓は京都国際にコールド負けし、今夏府大会準優勝の京都翔英龍谷大平安に完敗した。しかしその平安が京都精華学園に敗れ、夏に苦杯を喫した立命館宇治との対戦は実現しなかった。京都国際の優位は揺るぎなく、左腕・中崎琉生(2年)の安定感が際立つ。ここまで4試合、全てコールド勝ちで、計38得点の無失点とスキを見せていない。立宇治は、夏の甲子園で投げた195センチ右腕の十川奨己(2年)がどこまで成長しているか。京都市立の塔南は学校再編で校舎が移転し、今年度から開建として生まれ変わっている。

2強のいずれかが近畿大会を逃す厳しい組み合わせ~和歌山

 A、日高-耐久

 B、和歌山東-和歌山南陵

 C、智弁和歌山-近大新宮

 D、市和歌山-田辺

※準々決勝は2日間開催で、10月7日の準決勝はA-B、C-D。8日に決勝。

 京都とともに今回は2校枠なので、準決勝敗退で近畿大会アウトになる。近年の和歌山を牽引する智弁和歌山と市和歌山の2強が準々決勝を突破すれば、準決勝で当たり、敗者は近畿大会を逃すことになる。前哨戦となった新人戦では、智弁和歌山が10-9で打ち勝った。夏の県大会で初戦敗退を喫した智弁和歌山は、投手、野手ともメンバーを一新していて、巻き返しに必死だ。市和歌山は捕手で4番の麹家桜介(2年)が健在で、課題の投手陣をどこまで引っ張れるか。近年、上位常連の和歌山東と和歌山南陵も力がある。

4回戦辛勝の履正社は関大北陽、大阪桐蔭は近大付と5回戦~大阪

 進行が遅い大阪はようやく5回戦進出の16校が決まった。4回戦までは非公開で情報も結果のみだが、今夏代表の履正社は、今春の府大会で優勝した金光大阪にタイブレークの末、辛勝した。次戦も関大北陽が待ち受ける厳しい組み合わせになっている。甲子園でも投げた高木大希(2年)は力のある直球を投げる。大阪桐蔭はここまで関西創価上宮の甲子園経験校を圧倒していて、次戦の近大付も強敵だが、前チームの主力も多く残り、死角は見当たらない。投手陣の軸は大型右腕の平嶋桂知(2年)で、前チームでも3、4番を打った徳丸快晴ラマル・ギービン・ラタナヤケ(いずれも2年)らの強打にも期待がかかる。「大阪2強」は決勝まで当たらない組み合わせになっているが、履正社のゾーンには東海大大阪仰星興国が。大阪桐蔭のゾーンには大体大浪商大商大堺などが入り、波乱を狙っている。大阪大会はこの土日で4強が決まり、10月8日に準決勝、9日に決勝と3位決定戦が行われる。

秋は急成長するチームがある

 近畿大会には16校が出場する。センバツ枠は「6」なので、2勝しての4強入りが選出当確ラインとなる。1位になれば他府県の1位校とは当たらないが、2、3位でも強いチームは多く、安心はできない。多くの監督が異口同音に「いかに大阪桐蔭と当たらないか」と冗談めかして話すが、これは偽らざるところで、大阪桐蔭や履正社が2位、3位で出てくれば、府県大会で1位になったメリットはない。特に秋はまだまだこれからというチームがほとんどで、スキルの高い選手を擁していると、かなり有利だ。逆に伸びしろの多いチームは急成長する。短期間で変貌する秋の戦いは、チームの勢いも見逃せない。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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