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大阪桐蔭、仙台育英、広陵が進撃! いよいよセンバツは準々決勝へ

森本栄浩毎日放送アナウンサー
センバツは8強が決定。大阪桐蔭、仙台育英、広陵などが勝ち残っている(筆者撮影)

 センバツは8強が出揃い、いよいよ準々決勝に突入する。雨天順延があり休養日が削られた影響で、投手陣のやりくりも優勝への大きなカギになりそうだ。優勝候補に挙がっている大阪桐蔭仙台育英(宮城)、広陵(広島)を始め、注目選手のいるチームも勝ち残った。準々決勝の見どころを探る。

関東勢対決は山梨学院の投手がカギ

作新学院(栃木)-山梨学院(山梨)

 英明(香川)との終盤の本塁打合戦を制し、劇的な逆転勝ちで勢いに乗る作新学院に対し、好投手を相手に安定感のある試合運びを見せる山梨学院という関東勢同士の対戦となった。5人の投手がフル回転している作新は、打線の援護で九死に一生を得た。一方の山梨学院は、エース・林謙吾(3年)が3試合をほぼ一人で投げ切っていて、中1日となる準々決勝での先発は負担が大きいか。打線は東北(宮城)のハッブス大起(3年)や(山口)の升田早人(3年=主将)ら、右腕の本格派投手を攻略していて、下位までつながりがいい。お互いの打線の調子を考えれば、5点以上の攻防となることは必至で、1試合多く戦っていて、エースに疲れが残る山梨学院の投手起用と出来に注目したい。

広陵は左腕・倉重の登板があるか

専大松戸(千葉)-広陵(広島)

 エース右腕の力投で競り合いを制した両校だが、中1日となる準々決勝は投手の起用もポイントになる。3回戦でエース・高尾響(2年)が155球を投げた広陵は、左腕・倉重聡(3年)の登板も考えられる。2回戦でマウンドも経験し、秋は主戦格だったため大きな不安はないだろう。専大松戸は最速151キロ右腕の平野大地(3年)が2試合連続完投したが、高知には終盤まで食い下がられた。疲労が気にかかる。広陵は、自慢の守備が乱れて海星(長崎)に主導権を握られたが、徐々に盛り返し、1点差で逆転勝ちした。今大会屈指の強打者・真鍋慧(3年)は本調子ではなく、打線もつながりを欠いた。真鍋が打つと広陵は勢いに乗るため、専大は徹底マークが必要だろう。

「前田頼み」の大阪桐蔭は貧打解消なるか

大阪桐蔭(大阪)-東海大菅生(東京)

 大阪桐蔭は、能代松陽(秋田)のエース・森岡大智(3年)から2安打しか打てず、スリーバントスクイズで決勝点を奪った。初戦から貧打が続き、最後はエース・前田悠伍(3年=主将)をマウンドに送らざるを得ない大苦戦で、今後に不安を残した。西谷浩一監督(53)が前田を先発させるか、3回戦同様、救援待機させるか、注目したい。いずれにしても、「前田頼み」からの脱却にはほど遠い試合内容で、貧打解消は急務だ。相手の東海大菅生は、エース・日當直喜(3年)の連投か。沖縄尚学には中盤以降、かなり攻められたが、要所で変化球が冴えた。ピンチの場面でギアを上げ、力勝負も、かわす投球もできる。菅生は沖縄尚学戦で乱れた守備陣の修正も勝利へのカギとなる。

打線好調の報徳を仙台育英投手陣がどう抑えるか

報徳学園(兵庫)-仙台育英(宮城)

 今大会打線好調の報徳学園と仙台育英の最強投手陣の対決。報徳は東邦(愛知)の堅守に阻まれて前半の得点機をモノにしきれず、タイブレークに持ち込まれたが、下位までよく当たっている。中軸の堀柊那(3年=主将)や石野蓮授(3年)が好機に強い。投手陣万全の仙台育英は初戦で先発した左腕の仁田陽翔(3年)と右腕の高橋煌稀(3年)を温存できたのが大きく、打たれても早めに継投できるのが強み。打線も上向きで、早い回に得点できれば優位に展開できるだろう。3回戦で3投手が投げた報徳は、エース・盛田智矢(3年)が先発か。両校とも継投が予想され、お互いの交代機につけ込めるかも、勝敗を分ける可能性がある。

それぞれの連覇狙う両校は当たるとすれば準決勝で

 史上初の2度目のセンバツ連覇を狙う大阪桐蔭と、昨夏覇者で夏春連覇に挑む仙台育英は、対戦するとすれば準決勝になるが、準々決勝の相手はかなり手強い。また山梨県勢初の優勝を狙う山梨学院も投打のバランスが良く、専大松戸の平野や報徳の堀ら注目選手が実力を発揮して、大会を盛り上げている。頂点に駆け上がるのはどのチームか?

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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