大阪の準決勝は2試合とも延長タイブレークの死闘になった。13回で決着つかず、14回までもつれ込むという激戦で、大阪桐蔭履正社の「大阪2強」は明暗が分かれた。

絶体絶命から大阪桐蔭踏ん張る

 2強はともに先攻で、現行のタイブレークルールでは不利とされる。大阪桐蔭は7-7で突入した13回、先頭の9番・松浦慶斗(3年=タイトル写真)がバントを失敗し、1番の繁永晟(3年)も併殺に終わって、まさかの無得点。絶体絶命で13回裏の守りに入った。この時点で負けがない関大北陽は3番の山田悠平(3年=主将)からで、送りバントかと思われた。しかしここで強攻に出て併殺。松浦が踏ん張って後続も抑え、サヨナラ負けを阻止した。

勝ちを意識する後攻チームのメンタル

 生き返った大阪桐蔭は14回、1死満塁から4番・花田旭(3年)の2点適時打で勝ち越すと、一気に5得点と大量リードした。諦めない北陽は、松浦に猛然と襲いかかり3点を返すも、大阪桐蔭が12-10で辛くも逃げ切った。大阪桐蔭が13回に1点でも取っていれば、たとえ一番頼りになる打者でも送りバントをしただろう。「1点取れば勝ち」という状況で、北陽は打順が良すぎたのが仇になった。開き直った5点ビハインドの攻撃で伸び伸び打っていたことを考えると、勝ちを意識する後攻チームの心理面、メンタル面も見逃せない

履正社は興国に14回サヨナラ負け

 先に試合をした履正社は、春の府大会で敗れている興国との再戦。中盤までリードを許す展開も、7回につかんだ初めての好機で、3点差を追いついた。試合はそのまま延長タイブレークにもつれ込み、13回に1点ずつ。14回に履正社が無得点に終わると、興国は2番・中村莞爾(2年)が右越えにサヨナラ打を放って、5-4で勝利。昭和50(1975)年以来、46年ぶりの甲子園へ王手をかけた。

今チームの2強対決は実現せず

 今大会の履正社は打線が低調で、この試合でも6回までわずか1安打。ようやく7回に打線がつながり、1点差で無死満塁の上位打線。しかし、2、3番がフライアウトに倒れ、ようやく4番・松林克真(3年=主将)の適時打で追いつくのが精一杯だった。ここが履正社にとっての勝機だったと思う。投手陣が踏ん張っていただけに、打線にひっくり返す力があれば、と悔やまれる攻撃だった。前チームは、小深田大地(DeNA)ら3人がプロ入りするなど、甲子園の大会があれば夏の連覇も夢ではない強力な布陣だったが、今チームはやや小粒で、府大会で大阪桐蔭と一度も対戦することなく「終戦」となった。

50回と100回の全国優勝校対決

 全国一の激戦区、大阪の決勝は大阪桐蔭に興国が挑む。夏の50回大会全国優勝の興国と、100回大会優勝の大阪桐蔭という興味深い対決になった。興国は長く低迷していたが、元ロッテの喜多隆志監督(41)が就任した3年前あたりから急速に力をつけている。大阪桐蔭がやや苦手とする左腕二枚が看板で、最速140キロの田坂祐士(3年)は、球に力がある。大江遼也(3年)は緩急も使え、準々決勝で八尾を完封。履正社戦でも好救援を見せている。

大阪桐蔭の先発は?失点抑えたい興国

 大阪桐蔭の先発投手は松浦か、準決勝同様、右腕の竹中勇登(3年)か。あるいは、近畿大会でブレークした川原嗣貴(2年)を思い切って抜擢するか。打線は、3番を打つ池田陵真(3年=主将)が北陽戦で起死回生のアーチを放ち、4番の花田が決勝打と、中軸の勝負強さが際立つ。興国としては、投手陣が踏ん張って失点を抑え、終盤勝負に持ち込みたい。お互い、投手交代機にどう攻め、どう守るかで流れが変わるだろう。