甲子園をめざす戦いは、大詰めが近づいてきた。この土日で9代表が決まり、ここまで16校が甲子園切符を手にした。一方で、出場が有力視されていた星稜(石川)、東海大相模(神奈川)は、チームに新型コロナ陽性者が出て、大会中に出場を辞退。コロナが依然として、暗い影を落としている。

東海大相模、衝撃の出場辞退

 24日朝、衝撃のニュースが飛び込んできた。「東海大相模 登録選手17人コロナ陽性」。センバツで優勝し、神奈川大会も準々決勝まで順調に勝ち進んでいた。横浜との注目対決も期待された中での、「出場辞退」という悪夢のような結末には、言葉もない。しかも、門馬敬治監督(51)が今夏限りでの勇退を発表していただけに、選手、関係者の無念さはいかばかりかと察する。これより前には、一昨年の甲子園準優勝校・星稜も部員の感染が判明し、辞退を余儀なくされている。球児たちの夢や青春を奪うコロナに対しては、怒りしかない。

帯広農は39年ぶり 作新10大会連続

 この土日、新たに代表に決まったのは、北から、北北海道は帯広農が19得点の猛攻で、39年ぶりの出場。昨春センバツに21世紀枠で選ばれていて、夏の交流試合で健大高崎(群馬)を破っている。盛岡大付(岩手)は、花巻東とのライバル対決を制した。日大山形は、東海大山形との打撃戦を制し、4年ぶりの夏の甲子園。日大東北(福島)は、聖光学院を倒した光南にサヨナラ勝ちして、18年ぶりの出場を決めた。作新学院(栃木)は、佐野日大を1点差で振り切って、10大会連続出場の偉業を達成している。

倉敷商、高松商が激戦制す

 西日本は、伝統校が熱い戦いを制した。倉敷商(岡山)は、サヨナラ勝ちで9年ぶりの夏。昨春に続く甲子園となった。高松商(香川)も、終盤の逆転で英明に1点差勝ちした。佐賀からは春夏通じて初の甲子園となる東明館。昭和63(1988)年創立の福岡県境にある私立校で、全国制覇経験のある佐賀北に勝った。センバツ準優勝の明豊(大分)は、エース・京本眞(3年)が大分舞鶴を3安打に抑えて完封。夏こそ優勝を狙う。

市和歌山と智弁和歌山が決戦

 さて、近畿では、和歌山が大方の予想通り、市和歌山智弁和歌山の2強による決勝となった。準々決勝でタイブレークの苦戦を経験した智弁和歌山は、準決勝でエース・中西聖輝(3年)を温存できたのが大きい。市和歌山・小園健太(3年)との最後の勝負に懸ける。両校の対戦は市和歌山の3勝1敗だが、直近の春は、智弁和歌山がリリーフ登板した小園を打ち込んで快勝している。

奈良の2強も快調

 奈良も、天理智弁学園の2強が快調に勝ち進んでいる。準決勝は、天理が高田商と。智弁が奈良大付と当たる。両校の今チームの対戦は、秋が天理、春が智弁の勝利で1勝1敗。決勝での激突が三たび実現するか。兵庫は、センバツ出場の神戸国際大付が、明石商、東洋大姫路などの強敵を連破し、準決勝進出。次も報徳学園が相手だ。もう1カードは、関西学院と唯一の公立のが当たる。京都の準決勝は、乙訓ー京都外大西京都国際ー東山の顔合わせ。センバツ出場の京都国際は打線がやや低調だが、エース・森下瑠大(2年)の成長が止まらない。

滋賀は近江以外が甲子園未経験

 滋賀は近江がノーシードから勝ち上がり、春の県大会優勝校・綾羽と準決勝で対戦。優勝候補の滋賀学園は、エース・阿字悠真(3年)を控えに回したのが裏目に出て、序盤の失点を挽回できず、公立の彦根翔西館に3-4で敗れた。勝った翔西館と準決勝で当たる立命館守山を含め、常連の近江以外は甲子園未経験という興味深い4強の顔ぶれとなった。

大阪桐蔭と履正社は準々決勝以降

 大阪はまだ中盤にさしかかったところで、大阪桐蔭は5回戦進出。100回大会でともに甲子園に出た近大付と当たる。履正社は4回戦で香里丘と対戦し、5回戦は阪南大高桜宮の勝者が待ち受ける。5回戦の好カードとしては、興国東海大大阪仰星関大北陽大体大浪商などが挙げられる。大阪桐蔭と履正社は準々決勝以降の対戦(後日抽選)になるが、両校から目が離せない。

甲子園は代替出場なし

 コロナによって、甲子園の道が断たれたチームには同情を禁じ得ないが、甲子園出場が決まっても、チームで感染者が出れば、タイミングによって試合をすることができなくなる可能性がある。本大会では、こうした不測の状況になっても、代替出場は認めないことを決めているため、万全の対策が必要になる。出場が決まったチームには、例年通り、代表として、力いっぱい試合をしてほしい。