大阪桐蔭3試合連続コールド勝ち! 智弁学園と明日決勝
近畿大会はいよいよ準決勝。近畿のセンバツ枠は「6」で、例年、準決勝まで進めば選出漏れすることはまずないため、各校とも下級生や控えの有望選手を起用することが多い。今年もその傾向は変わらず、4校とも期待の選手が多く出場した。
大阪桐蔭先発川井は不調
大阪桐蔭は先発に期待の1年生左腕・川井泰志を起用。
しかしぴりっとせず、京都国際4番の森下瑠大(1年)に先制打を浴び、さらに押し出し死球で3点を失う苦しい立ち上がり。その後も川井は立ち直れず、3回、1死満塁となったところで竹中勇登(2年=タイトル写真は10月24日撮影)がマウンドに上がった。竹中は後続を断ち、味方の援護を待つ。一方、大阪桐蔭打線は、京都国際先発の平野順大(1年)の大きなカーブを駆使した緩急に幻惑され、5回までわずか1安打無得点と意外な展開になった。
満塁弾で一気に逆転
竹中の力投で落ち着きを取り戻した大阪桐蔭は、6回裏、反撃に転じる。疲れの見え始めた平野を攻めて無死満塁とし、まずは3番・宮下隼輔(2年)の犠飛で1点を返すと、さらに満塁で6番・花田旭(2年)がバックスクリーンへ起死回生の逆転満塁弾を放って一気にひっくり返した。大阪桐蔭の強さはここからだ。代わった京都国際エースの森下にも容赦なく襲いかかり、さらに2点を加えて主導権を奪う。7回表に西川音羽(2年)が2点を失って2点差まで迫られたが、その裏、またも森下を攻めて3四死球に4安打を集め、5得点。最後は大味な展開になったが、6回7点、7回5点の猛攻であっという間に12-5のコールド決着となった。これで大阪桐蔭は3試合連続のコールド勝ちで、2年連続の近畿大会決勝進出を決めた。
選手層厚く、さらに競争激化
大阪桐蔭の強さは選手層の厚さにある。投手もこの日はエースの松浦慶斗(2年)と右腕の関戸康介(2年)の両輪を温存したが、竹中が流れを断った。竹中はリリーフに向いている。満塁という窮地にも動じず、付け入るスキを与えなかった。3回に1点でも失っていたら、もっと苦しい試合を強いられただろう。打線も、中軸に目がいきがちだが、活発な下位打線と交代選手の活躍で、相手投手は息つく暇もない。天理(奈良)戦での対応力の高さもさることながら、投手を中心にしたディフェンスの堅さが、攻撃にいい流れをもたらす。2年前の超高校級選手を揃えて春夏連覇をしたチームと比較しても、選手個々の能力を平均化すれば、決して見劣りしない。そのあたりが層の厚さたる所以だ。西谷浩一監督(51)は、「捕手もレギュラーが故障しているし、まだまだ選手たちには競争させる」とあくまで貪欲だ。
智弁学園は小畠が完投勝ち
第1試合では、智弁学園(奈良)が、序盤のリードを守って市和歌山に4-1で快勝した。今大会初登板の右腕・小畠一心(2年)が7安打1失点にまとめ完投したのは大きい。1年時からライバルとしてしのぎを削ってきたエース・西村王雅(2年)は、明日の決勝で奮起するだろう。市和歌山は、エースの小園健太(2年)が救援に回り、4回を1安打6三振と別格の内容。改めて、スケールの大きさを示した。智弁打線は今大会随一で、小園が先発していたらもっと接戦になっていただろう。前回も述べたが、甲子園では打線の援護が不可欠になる。
大阪桐蔭と智弁学園の力勝負
決勝は、実力通りの顔合わせ。智弁は奈良大会で天理に屈したが、経験値とチーム力は大会随一とみていた。大阪桐蔭との力勝負は見ごたえがある。大阪桐蔭の投手起用にもよるが、智弁は立ち上がりを攻めて、リードする展開に持ち込みたい。智弁は西村が先発か?緩急をうまく使って、ビッグイニングを作らせなければ勝機が出てくる。