センバツの組み合わせ抽選会があり、初戦のカードが決まった。初日から見どころを。(学年は4月からの新学年)

いきなり日大三-履正社~1日目

開幕試合は至学館(愛知)と呉(広島)の初出場同士。ともに派手さはないが、堅実な野球が持ち味で好勝負が期待できる。呉はエース左腕・池田吏輝(3年)が低めを丁寧について守備から主導権をを握れるか。至学館の麻王義之監督(53)は、「仕上がりは順調」と自信をのぞかせる。

初日に激突する日大三の桜井主将と履正社の若林主将は健闘を誓い合う
初日に激突する日大三の桜井主将と履正社の若林主将は健闘を誓い合う

第2試合には優勝候補が早くもぶつかる。日大三(東京)は、東京大会で早稲田実にサヨナラ負けを喫したとはいえ、秋の練習試合は全勝で、総合力は早実以上とも。相手の履正社(大阪)は、神宮大会優勝で、実力は折り紙付きだ。履正社の安田尚憲(3年)、日大三の金成麗生(3年)と屈指のスラッガーの競演も興味深い。主戦投手の出来が勝敗を左右しそうだが、とりわけ、履正社の竹田祐(3年)が粘り強く投げられるか。第3試合は、連覇を狙う智弁学園(奈良)が伝統の熊本工と。福元悠真(3年=主将)、太田英毅(3年)ら、優勝経験者を擁する智弁打線と、九州屈指の速球を誇る熊本工の山口翔(3年)の対決は要注目だ。

多治見、中村が相次いで登場~2日目

第1試合は、左右の二枚看板を要する高岡商(富山)が昨夏に続く出場の盛岡大付(岩手)と。盛岡大付も継投が基本線で、お互い、投手の交代機に仕掛けたい。ここまでがAブロックになる。続く試合は、21世紀枠の多治見(岐阜)が名門・報徳学園(兵庫)に挑む。報徳は例年に比べると投打とも小粒だが、機動力と粘りは健在。多治見の横手投げエース・河地京太(3年)が、コーナーに投げ分けられるか。次の試合も21世紀枠の中村(高知)が、夏の経験者5人を擁する前橋育英(群馬)と。中村のエース・北原野空(のあ=3年)は、多彩な変化球で明徳義塾を完封した実績を持つ。打力で上回る前橋育英は、球威のある3投手が力をつけている。40年ぶりの中村がどんな姿で甲子園のファンの前に姿を見せるか楽しみだ。

好投手と強打線の注目対決~3日目

第1試合は、昨春から3大会連続の創志学園(岡山)が、強力バッテリーを擁する福岡大大濠と対戦。最速144キロの本格右腕・三浦銀二(3年)と強肩強打の捕手・古賀悠斗(3年)の大濠バッテリーは今大会屈指。特に三浦は秋の公式戦で一度もマウンドを譲っておらず、大黒柱にふさわしい。創志はエースで4番の難波侑平(3年)が牽引する。創志は、山本蒼(3年=主将)が出塁して、いい形で難波を打席に送れるか。

昨春8強の滋賀学園は強力打線で好投手に挑む(写真は秋の近畿大会準々決勝)
昨春8強の滋賀学園は強力打線で好投手に挑む(写真は秋の近畿大会準々決勝)

第2試合は、最速147キロの本格派、東海大市原望洋(千葉)の金久保優斗(3年)が、強打の滋賀学園と対決する興味深い一戦。昨春8強の打線よりも「このチームの方がつながりは上」(山口達也監督)という滋賀学園は、沖縄出身の3投手が力を伸ばし、4強以上をめざす。投打の力勝負は見ごたえ十分の予感。ここまでがBブロックとなる。第3試合は機動力野球の健大高崎(群馬)と2年連続の札幌第一(北海道)。主将の湯浅大(3年)をリードオフマンに、相手投手に重圧をかける「機動破壊」は、甲子園でもすっかり定着した。「(機動力は)例年以上だと思います」と湯浅も胸を張る。札幌第一は、エース冨樫颯大(3年)を始め、主力投手が左腕なのは幸い。昨年からのレギュラー3人が残る打線も得点力が高く、点の取り合いになっても引けをとらない。

夏の王者・作新学院登場~4日目

第1試合は、福井工大福井と仙台育英(宮城)の昨秋地区大会優勝校同士。安定感抜群の左腕・長谷川拓帆(3年)を軸に、仙台育英投手陣は質、量とも申し分ない。.342のチーム打率で、大会屈指の工大福井の強力打線がどこまで攻略できるか。第2試合は、昨年の甲子園、春夏4強の秀岳館(熊本)が、23年ぶりの高田商(奈良)と。高田商の赤坂誠治監督(40)は、「日程は最高なんですが、相手が..」と苦笑い。「(エースの)古川(響輝=3年)に粘ってもらって、足が使える展開にしたい。そのためには、序盤で離されないように」ともくろむ。第3試合は、昨夏優勝の作新学院(栃木)が、48年ぶりの帝京第五(愛媛)と対戦。作新の左腕・大関秀太郎(3年)は、夏にベンチ入りしていなかったが、新チームになってエースに成長。球速はそれほどでもないが、変化球の質が高い。帝京五打線は選球眼に定評があり、正確なコントロールが要求される。ここまでがCブロック。

早実-明徳!必見の好カード~5日目

好カードが揃った。まず、東海大福岡が地元の強豪・神戸国際大付(兵庫)に挑む。

神戸国際大付は、猪田が打つと打線が活気づく。近畿大会でも一発を放って流れをつかんだ
神戸国際大付は、猪田が打つと打線が活気づく。近畿大会でも一発を放って流れをつかんだ

左右の好投手に主砲・猪田和希(3年)を擁し、投打のバランスがいい神戸国際に対し、東海大福岡は、横手投げの安田大将(3年)が自分のペースを崩さず投げられるか。この両校は宿舎が同じで、監督同士も顔を見合わせて当惑気味だった。そして第2試合には、早稲田実(東京)が登場し、明徳義塾(高知)と対戦する黄金カードが実現(タイトル写真)。会場が沸いた。明徳の左腕・北本佑斗(3年)と清宮幸太郎(3年=主将)擁する早実打線がポイントになるが、試合巧者の明徳相手に、早実投手陣がいかに失点を抑えられるかも鍵になる。清宮は、「相手も決まって、内容の濃い練習ができます。相手どうこうより、いかに自分たちの野球ができるか。1年のときよりも成長した姿を見せたい」と活躍を誓った。明徳の馬淵史郎監督(61)は、25年前の夏の星稜・松井秀喜(元ヤンキース)の5敬遠を引き合いに出され、「まあ、終盤で2死2塁、みたいな場面だったら(敬遠も)考えるけど」と苦笑していた。第3試合は、静岡と21世紀枠の不来方(岩手)のカード。10人で一丸野球を見せる不来方が、東海王者に挑む構図になるが、エース・小比類巻圭太(3年=主将)の頑張り次第では熱戦も期待できる。今大会の21世紀枠3校はいずれも甲子園の優勝経験校が相手という組み合わせになった。

最後に大阪桐蔭登場~6日目

最後の登場となるのが大阪桐蔭。相手は、大型遊撃手・嶋谷将平(3年=主将)が軸の宇部鴻城(山口)だ。桐蔭は正捕手の岩本久重(3年)が骨折で離脱し、急きょ、主将の福井章吾(3年)をファーストからコンバート。本人は、「まだまだ投手との呼吸はしっくりきていませんが、試合まで日数があるので」と最後の登場を歓迎。西谷浩一監督(47)も、「その姿勢がいい」と主将の前向きな考えに信頼を寄せていた。最後のDブロックが最激戦となっている。

東京、大阪勢が難敵相手

ブロック別に見ると、Aブロックは日大三と履正社の勝者が4強の最短距離か。連覇を狙う智弁は、投手陣の仕上がりがポイントで、打線の援護次第。盛岡大付の総合力も高い。Bブロックは、投手力の福大大濠と東海大市原望洋、打力の滋賀学園が有力。永田裕治監督(53)が今大会限りで勇退する報徳もモチベーションが高い。Cブロックは、仙台育英と秀岳館に作新学院が絡む混戦。機動力という「切り札」を持つ健大高崎も差がない。最激戦のDブロックは、神戸国際、早実、明徳、大阪桐蔭のどこが抜け出てもおかしくない。ただ、優勝争いとなれば、大会終盤での連戦を余儀なくされること。強豪との連戦で消耗することなど、このブロックは、どのチームにとっても厳しい抽選運と言える。注目度の高い東京、大阪勢がいずれも強豪相手で、勝敗が優勝争いを左右する。とりわけ、初日の第2試合から目が離せない。