中国で誘拐した子供11人の人身売買で女に死刑判決
中国で子供を次々と誘拐し売りさばいて金を得ていた女に死刑判決が言い渡された。女は3年間で合わせて11人の子供を誘拐、売却していたという。
誘拐の常習犯
貴州省貴陽市の中級人民法院(裁判所)によれば、同法院は9月18日に開かれた一審の裁判で児童誘拐売買の罪に問われた女、余華英被告に対し死刑判決を言い渡した。
裁判によれば、余は1993年から96年までの間、貴州省や重慶市などを転々とし、すでに故人となった共犯者と2人で11人の子供を誘拐した。その子供たちを河北省に連れて行き、仲介者を通じて探した購入者を探し、子供たちを売って利益を得ていた。同法院は、余の罪は非常に重く、社会に与えた危害は極めて深刻であるために厳罰に処すべきとした。
これまでの報道などによれば、余は過去に子供2人を誘拐した罪で服役し、2009年に出所していた。だが、子供の頃に連れ去られ売られたという女性、楊妞花さんがネットなどで情報提供を求めた結果、2021年に本当の肉親を発見。警察に情報提供したところ、楊さんの誘拐にも余が関わっていたことが新たに判明した。余はその楊さんが子供の頃に住んでいた家の隣人だった。
余罪が明らかになり余は改めて起訴され、今回の判決が下された。
5歳で連れ去られ売られた女性
今回の裁判のきっかけになった女性、楊さんは5歳で誘拐され、独身の聾唖の男の元へ養女として売られていた。それから30年近く経て肉親を探し当てた時には、両親はすでに亡くなっていた。警察から十数枚の容疑者の顔写真を見せられた際に、5歳の自分を誘拐した犯人の顔はすぐに特定できたという。
「私が最も憎んでいる人です。一生彼女の顔を忘れるはずはありません」
当時、楊さんはそう話していた。
楊さんは今年7月に法廷で証言を求められた際に、突然ひざまずき、余に重い判決を下すよう涙ながらに裁判官に訴えたという。
余の死刑判決を受け楊さんは動画を公開した。その中で言葉を詰まらせながら、判決書を持って両親の墓前に報告に行くと話している。