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海外でも影響?台湾でも小林製薬「紅麹」関連品を回収

宮崎紀秀ジャーナリスト
台湾メディアも大きく扱っている(2024年3月26日台北 筆者撮影)

 小林製薬が販売したサプリメントで健康被害が確認された問題で、日本製品の人気が高いで台湾でも関連商品の回収に乗り出すなど、影響が広がっている。

紅麹原料を輸入

 台湾の食品薬物管理署が25日、対応を発表した。同署によれば、小林製薬が日本で自主回収の対象とした5製品そのものについては台湾への輸入記録がないものの、2022年1月1日から2024年3月22日までに、輸入業社2社が小林製薬の紅麹原料を輸入していたことが分かったという。

 同署は、回収作業を行うと共に、小林製薬の紅麹関連の商品や原料の輸入に関わる手続きを停止した。また、台湾の食品業者に対し、関連商品や原料を使用した商品を販売している場合には、商品を撤去・自主回収した上で、関連法案に基づき通知するよう求めた。従わない場合は3万元(約14万2千円)から300万元(約1420万円)の罰金などを科すとも警告した。

 台湾人にとって日本は人気の旅行先。同署は、日本への旅行者に対し、自主回収の対象商品の購入を控え、すでに購入している場合は食用を避けるよう注意喚起している。

 台湾で日本の製品はとても人気があり、台湾社会に浸透している。日本メーカーの日用品はどこに行っても目にするし、食品や化粧品には安全、安心のイメージも定着している。ただ、そのイメージを保つか、あるいは損なうのかは、問題が発生したことよりも、その後の企業や関係者の対応の仕方だ。今回の問題は、台湾での関心も高く、地元メディアも大きく取り上げている。

ジャーナリスト

日本テレビ入社後、報道局社会部、調査報道班を経て中国総局長。毒入り冷凍餃子事件、北京五輪などを取材。2010年フリーになり、その後も中国社会の問題や共産党体制の歪みなどをルポ。中国での取材歴は10年以上、映像作品をNNN系列「真相報道バンキシャ!」他で発表。寄稿は「東洋経済オンライン」「月刊Hanada」他。2023年より台湾をベースに。著書に「習近平vs.中国人」(新潮新書)他。調査報道NPO「インファクト」編集委員。

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