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中国で不倫カップルの情事を暴露。そのワケは?

宮崎紀秀ジャーナリスト
暴露された不倫カップルのエレベーター内での様子(中国のSNSより)

 エレベーターの中で口づけを交わし熱く抱擁するなど親密さを隠そうともしない中年の男女の映像が中国のネットで話題になった。二人は不倫関係。映像を暴露したのは女性の夫だったという。何故なのか?

 南方都市報など複数の中国メディアが報じた。この映像がネット上に流れたのは6月26日。映像を暴露したのは不倫カップルの女性の夫。妻の不倫相手が大学の共産党幹部であることを暴くためだった。幹部の男性と暴露者の妻は長い間、関係を持っていたという。

 暴露された映像はかなり“情熱的”である。エレベーターという密室で、二人きりになった男女は見つめ合い口づけを交わす。二人は抱き合い男性の手は女性の長い黒髪を優しく撫でる。女性が男性の腰に腕を回すようなシーンもある。中国ではエレベーターに防犯カメラが設置されているのは周知の事実。この映像も防犯カメラのものとみられるが、二人はカメラを全く気にする様子もなく愛撫を続けた。

 二人が一つの部屋に入って行く別の映像もある。翌朝に一人で部屋を出た女性が、腰が砕けたようによろめきながら歩き去る様子を見て、想像をたくましくしたネット民もいた。

 不倫カップルの男性は、南京暁庄学院の共産党委員会の副書記。副書記は暴露を受け、職を解かれたという。不倫そのものは犯罪ではないが、「不正常な男女関係」は、十分に共産党の規律違反となる。

 下世話な話のようだが、中国では地位と権力を持つ者が、庶民の妻に手をつけることはよくある。かつて取材した男性の妻の不倫相手は、親子ほど歳の違う地元政府の幹部だった。男性は、自分が他の都市で仕事をしている間に、その幹部が良い仕事を手配するなどの便宜を図って妻の歓心を買ったのだ、と涙ながらにやるせなさを訴えた。

 今回、不倫カップルの女性の夫が、恥を忍んで妻の不貞を晒した心情も察するにあまりある。

ジャーナリスト

日本テレビ入社後、報道局社会部、調査報道班を経て中国総局長。毒入り冷凍餃子事件、北京五輪などを取材。2010年フリーになり、その後も中国社会の問題や共産党体制の歪みなどをルポ。中国での取材歴は10年以上、映像作品をNNN系列「真相報道バンキシャ!」他で発表。寄稿は「東洋経済オンライン」「月刊Hanada」他。2023年より台湾をベースに。著書に「習近平vs.中国人」(新潮新書)他。調査報道NPO「インファクト」編集委員。

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