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4月としては史上最強台風2号 週後半は沖縄の南の海上へ 発達の原因は?

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
米軍合同台風警報センターHPより 気象衛星画像

4月としては統計史上初めての800ヘクトパスカル台

台風2号は、台風としては最強ランクの猛烈な勢力にまで発達しています。猛烈な台風は例年ですと、年間2個程度ありますが、4月に猛烈な勢力にまで発達するのは非常に珍しいことです。18(日)には中心の気圧が一時895ヘクトパスカルまで低下し、5年ぶりに900ヘクトパスカル未満となりました。4月に800ヘクトパスカル台になるのは統計史上初めてのことです。米軍合同台風警報センターの観測でも一時888ヘクトパスカルまで低下、最強レベルのスーパー台風にまで発達しました。

なぜ過去に例のないほど発達しているのか

◆海水温が表面だけでなく比較的深いところまで高いこと⇒海の熱量が大きい

◆鉛直シアが小さい⇒上層から下層まで風向きが揃っている

◆上層が発散場⇒上昇流となり雲の発達に好都合

◆乾燥空気の阻害がない

今週後半は沖縄と小笠原諸島で強風、高波のおそれ

ウェザーマップ 台風進路図画像
ウェザーマップ 台風進路図画像

台風2号は20日(火)まで猛烈な勢力を維持するものの、その後は海水温の比較的低い所を通過していくため、勢力は衰える見込みです。ただ、暴風域を伴ったまま今週後半には沖縄の南の海上に達するでしょう。その後はまだわかりませんが、台風を流す偏西風の位置や、海外の計算結果をみると、今週後半は沖縄や小笠原諸島で強風や高波のおそれがあるので、今後の情報に注意してください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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