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ブラジルW杯 セーターとTシャツと雨具が必要?

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
気温,降水量の平年値はWMO(世界気象機関)HP参考(小数点第一位を四捨五入)

サッカーワールドカップが開幕しましたが、開催国のブラジルは、一年中暑いイメージがありませんか?でもブラジルは世界で5番目に面積の広い国で、日本の約23倍ですから、熱帯から温帯まで、所変われば気候も違うんです。

今大会はブラジルの12の都市が会場。そのうち、日本代表が1次リーグを戦う場所は3都市。初戦のレシフェ、2戦目のナタル、3戦目のクイアバ、この3都市とブラジル最大の都市のサンパウロの6月の気候を調べてみました(上の画像参照)。

「レシフェ」(初戦 コートジボアール戦)

大西洋岸沿いにあり高温多湿の熱帯性気候。平年の6月の気温は22度から29度で、東京や大阪よりやや高いが30度を超えることは少ない。雨が多いのが特徴で、特に6月は年間で最も雨が多い時期。ほぼ毎日のように雨が降り、平年の6月の降水量は梅雨の東京の約2倍。

「ナタル」(第2戦 ギリシャ戦) 

初戦のレシフェから数百キロ北上した大西洋岸の都市で、レシフェと同じ高温多湿な熱帯性気候。この時期は、海からの比較的涼しい空気が入るため、極端な高温にはならない。

「クイアバ」(第3戦 コロンビア戦)

熱帯性気候だが、内陸部にあるため、昼と夜の寒暖差が大きく18度から31度。雨が少ないのが特徴で、特に6月は年間で雨が少ない時期にあたり、平年の6月降水量は、わずか16ミリ。

「サンパウロ」(ブラジル最大の都市)

温帯性気候で、6月は年間で最も涼しい時期。平年の気温は12度から22度。朝晩は5度以下になる日もある。雨は少ない時期。

このように、ブラジルといっても、どこもかしこも暑いわけではないんです。南半球で季節は逆のいわば冬ですから、一年で比較的気温の低い時期なんですね。特にサンパウロの朝晩は寒いくらいかもしれません。サンパウロ経由で、1次リーグの応援に行かれる方は、サンパウロではセーター、カーディガンなどの上着。レシフェやナタルでは昼間はTシャツ、夜は長袖シャツにレインコートなどの雨具。クイアバでは、雨具は必要ないけれど、昼と夜の気温差が大きいので、脱ぎ着のしやすい服装が良いかもしれません。

サンパウロからレシフェまでは2000キロ位あるので、北海道から沖縄に移動するようなもの…気候が違って当然といえば当然ですね。

ちなみに、初戦コートジボアール戦があるレシフェの天気は?(日本時間⇒6/15 10時、 現地時間⇒6/14 22時キックオフ )

「曇り時々雨 気温22度 風は弱いから中程度」

キックオフが現地の夜22時…今大会中、こんな遅い時間に試合があるのは、日本の初戦だけ。雨の影響がどのくらい出るかですが、比較的涼しい状況が日本にとって吉とでますように。

ブラジルの気象庁INMETの最新の予報はこちら↓

http://www.inmet.gov.br/portal/

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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