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小山怜央アマ(29)棋士編入試験合格は持ち越し 五番勝負第3局で狩山幹生四段(21)に敗れ2勝1敗に

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月20日。大阪・関西将棋会館において棋士編入試験五番勝負第3局▲狩山幹生四段(21歳)-△小山怜央アマ(29歳)戦がおこなわれました。

 狩山四段先手で、戦型はいわゆる「相雁木」。角交換から互いにスキを作らぬよう手待ちを繰り返す序盤を経て、駒がぶつかったあとも、息の長い中盤戦が続きました。

 120手目。小山さんは相手の歩頭に銀を出ます。はっとするような勝負手ですが、狩山四段は冷静に対応。次第に狩山四段がリードを広げていきました。

 最終盤、小山さんも粘りを見せたものの、最後は狩山四段が押し切る形に。16時42分、165手で狩山四段の勝ちとなりました。

 狩山四段は2022年10月の里見香奈女流五冠戦に続き、みごとに棋士側の意地を見せたかっこうです。

 小山さんの五番勝負成績は2勝1敗に。本局では残念な結果となりましたが、残り2戦のうち、1局を勝てば合格が決まります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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