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先手番17連勝中の藤井聡太王将、キープか? 羽生善治挑戦者、秘策でブレイクか? 王将戦第1局は佳境に

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月9日。静岡県掛川市・掛川城二の丸茶室において第72期ALSOK杯王将戦七番勝負▲藤井聡太王将(20歳)-△羽生善治挑戦者(52歳)戦、2日目の対局がおこなわれています。棋譜は公式ページをご覧ください。

 第1局は振り駒によって藤井王将先手と決まりました。統計上、将棋は先手番がわずかに有利です。近年、特にトップクラス同士の対戦では、先手の利が強調されるようです。

 藤井聡太王将の今年度成績は35勝7敗(勝率0.833)。なかでも先手番では20勝1敗、17連勝中です。

 昨年度は先手番で30勝3敗でした。

 一方で羽生挑戦者は1989年に先手番で28連勝という、とてつもない記録を打ち立てています。ちなみに当時19歳だった羽生六段の快進撃を止めたのは、66歳の大山康晴15世名人でした。

 本局では一手損角換わりという秘策で臨んだ羽生挑戦者。2日目の12時現在は中盤53手目の段階です。互角か、あるいは後手番ということを考えれば、やや羽生ペースかとも見られる形勢です。ブレイクはなるでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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