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棋士編入試験五番勝負験第1局「出雲のイナズマ」は炸裂するか? 里見香奈女流五冠、形勢互角のまま終盤に

松本博文将棋ライター
出雲大社 大鳥居(写真:イメージマート)

 8月18日。大阪・関西将棋会館において棋士編入試験第1局▲徳田拳士四段(24歳)-△里見香奈女流五冠(30歳)戦がおこなわれています。

 囲碁・将棋チャンネル(将棋プレミアム)では将棋界のレジェンド・羽生善治九段(51歳)が解説を務めています。

羽生「非常に里見さん、最近、充実いちじるしいですから(編入試験受験の)資格を取っても不思議ではないという感じだったんですけども。編入試験はですね、新人5人との対戦ということで、かなり接戦というか、大変な勝負になるんじゃないかな、っていうふうに予想しています」

 2004年、島根県で行われた王将戦の前夜祭で、羽生現九段はまだ小学生だった里見さんに会っています。

(撮影:筆者)
(撮影:筆者)

 本局の戦型は里見女流五冠の中飛車。徳田四段は攻めの銀を繰り出し、手厚く中央を押さえます。

 40手目、里見女流五冠が中央に歩を打って戦いを求めたところで12時、昼食休憩に入りました。里見女流五冠は昼食に、きつねうどんを頼んでいます。

 12時40分、対局再開。中央で銀がぶつかっていよいよ本格的な中盤戦が幕を開けました。

 徳田四段がやや模様がいいのではないかと思われたところで、里見女流五冠は手を作りにかかります。幼い頃から中飛車を指し続けてきただけに、その集大成とでもいえる指し回しが見られるかという場面でした。

 押さえ込まれそうなところから、里見女流五冠は巧みに駒をさばきにかかります。15時30分を過ぎた現在は78手目、里見女流五冠が中央に銀を出たところまで。形勢はほぼ互角のまま終盤に入りつつあります。

 里見女流五冠は島根県出雲市出身。「出雲のイナズマ」と呼ばれる、鮮やかな攻めは見られるでしょうか?

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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