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JT杯初優勝を目指す藤井聡太三冠(19)9月25日、2回戦で千田翔太七段(27)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月25日。東京・シャトーアメーバにおいて第42回将棋日本シリーズ・JTプロ公式戦2回戦、藤井聡太三冠(19歳)-千田翔太七段(27歳)戦がおこなわれます。

 トップクラスの12人の棋士が参加する本棋戦。千田七段は前年の賞金ランキングで10位に入り、今年が初出場となります。

 藤井三冠は本棋戦3回目の出場。一昨年は1回戦で三浦弘行九段に敗れました。昨年は2回戦で豊島将之竜王に敗れています。

 各棋戦ですでにおそるべき実績を残している藤井三冠。本棋戦では初優勝を目指すことになります。

 千田七段は今年1回戦、32年連続32回目の出場となる羽生善治九段に勝ちました。

 現在は2回戦が進行中。豊島将之竜王(前期覇者)、渡辺明名人、永瀬拓矢王座と、いずれもシード組のタイトルホルダーが勝っています。もし藤井三冠も勝つと、ベスト4は現棋界「四強」の揃い踏みとなります。

 本局の勝者は準決勝で永瀬王座と対戦します。

 藤井三冠と千田七段の過去の対戦成績は、藤井3勝、千田1勝です。

 藤井三冠はこれまで朝日杯に4回出場して、3回優勝。通算20勝1敗という、すさまじい記録が残されています。その中で、唯一敗れた相手が千田七段でした。

 千田七段は現在のコンピュータ将棋ソフト(AI)を用いての研究の先駆者的存在です。奨励会在籍中の藤井三段にアドバイスをしたのも、千田現七段でした。朝日杯のときのように精度の高い研究がヒットして序中盤でリードを奪えば、誰が相手でも逆転を許さない地力もあります。

 藤井三冠と千田七段は現在、B級1組で4勝1敗。トップグループで昇級を争っています。

 両者が順位戦で対戦するのは年明け1月の11回戦。そちらも大きな勝負になりそうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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