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将棋めし力戦派・藤井挑戦者はコロコロしばちゃん、定跡派・豊島叡王はフルーツロール 盤上はスローペース

松本博文将棋ライター
(写真撮影:筆者)

 9月13日。東京・将棋会館において第6期叡王戦五番勝負第5局▲藤井聡太二冠(19歳)-△豊島将之叡王(31歳)戦がおこなわれています。

 藤井二冠先手で、戦型は相掛かりに進みました。

 盤外では午前、藤井二冠が不二家の新商品「コロコロしばちゃん」を頼んだことが話題を呼びました。渡辺明名人も早速反応しています。

 筆者も近くの不二家洋菓子店で購入してきました。

「一番好きな将棋メシは?」という質問に、藤井二冠は次のように答えています。

藤井「自分はけっこう力戦派なので、毎回変えてるんです。棋士の中にはけっこう定跡派で、定跡を確立されている方もいると思うんですけど、自分は力戦派なのでなんというか、あまりこだわりなく頼んでます。見ているとけっこう2タイプに分かれている印象があって。例えば永瀬王座、丸山九段がやっぱり定跡派。羽生九段とかわりと力戦派だという印象なんですけど」

「コロコロしばちゃん」の選択も、変化を恐れない力戦派の一着なのかもしれません。

 午後、豊島叡王はフルーツロールを頼んでいます。

 フルーツの盛り合わせを頼むのがよく知られた豊島定跡。フルーツロールの選択は、その延長線上の選択なのかもしれません。

 盤上は虚々実々の駆け引きで、大変なスローペース。57手目、藤井二冠が銀取りに6筋の歩を突いたところで、持ち時間4時間のうち、残りは41分です。豊島叡王は58手目を考慮中に残り1時間を切りました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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