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藤井聡太リーダー率いる「最年少+1」始動! 4月10日19時、チーム稲葉「加古川観光大使」戦放映

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月10日19時。第4回ABEMAトーナメント予選Aリーグ第1試合、チーム藤井VSチーム稲葉戦が放映されます。

 ABEMAトーナメントは、最初の持ち時間は各5分。そして1手指すごとに5秒が加算されるフィッシャーモード採用が大きな特徴です。この設定は公式戦では類を見ない、大変な早指しです。

(フィッシャーモードの時間設定は長くも短くもできますので「フィッシャールール=早指し」というわけではありません)

 スリリングな攻防が繰り広げられる中、普段では考えられないようなミスも出れば、「さすがプロ!」という高度な応酬も見られます。

 ABEMAトーナメントは第1回、第2回は個人戦。そして藤井聡太七段(当時)が2連覇を達成しています。藤井二冠の強さが発揮されるのは持ち時間の長い順位戦(6時間)や竜王戦(5時間)だけではなく、超早指しもまた強いというわけです。

 第3回からは3人1組の団体戦となりました。優勝したのは永瀬拓矢二冠(現王座)率いる「バナナ」。そのメンバーは永瀬リーダー、藤井七段(決勝時には二冠)、増田康宏六段でした。ドラフト会議によってチームができた時点で「優勝候補」と目された本命が、下馬評通りの結果を収めたという感がありました。

 第4回では藤井二冠はチームリーダーとなります。ドラフト会議では第1巡で最年少棋士の伊藤匠四段を指名しました。

 藤井二冠は2002年7月、伊藤四段は同年10月生まれ。両者は過去に小学生大会でも当たったことがあり、そのときは伊藤少年が勝っています。

 現在は両者ともに18歳で、最年少棋士は伊藤四段、その次に年少なのが藤井二冠です。

 藤井二冠は第2巡で服部慎一郎四段(21歳)を指名したものの、糸谷哲郎八段(32歳)による指名と競合し、くじで敗れました。

 そこで元叡王の若手実力者・高見泰地七段(27歳)が加わり、「最年少+1」が結成されたというわけです。

 チーム藤井が初戦で対戦するのは、稲葉陽八段(32歳)率いる「加古川観光大使」です。

 稲葉八段、久保利明九段(45歳)、船江恒平六段(33)は兵庫県加古川市出身。現在3名とも、同市の観光大使を務めています。

 両チームともに強力なメンバーが揃い、激戦必至の開幕戦。見逃すことはできません。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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