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藤井聡太二冠(18)今年度最高15連勝&竜王R戦22連勝をかけ2組2回戦で広瀬章人八段(34)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月18日。大阪・関西将棋会館において竜王戦2組2回戦・藤井聡太二冠(18歳)-広瀬章人八段(34歳)戦がおこなわれます。

 広瀬八段は前々期の竜王。七番勝負で豊島将之現竜王に敗れて失冠となりました。今期は2組で1回戦シードです。

 藤井二冠は今期2組1回戦で阿久津主税八段に勝ちました。

 2組から本戦に進めるのは優勝、準優勝の2人。本局の勝者は準決勝で、松尾歩八段-千田翔太七段戦の勝者と決勝進出、および本戦進出をかけて対戦します。

 藤井二冠はデビュー以来、竜王ランキング戦負けなしで、なんと21連勝中です。

 竜王ランキング戦で4期連続優勝も史上初です。

 今期は5期連続優勝の期待もかかっています。

 また藤井二冠は現在、公式戦で14連勝中です。

 今年度の連勝記録部門では澤田真吾七段と並んで1位タイ。15連勝に伸びれば単独トップとなります。

 また藤井二冠には4年連続勝率8割以上という、これもまた信じられないような大記録も期待されています。

 先日の朝日杯では3度目の優勝を飾りました。

「(前略)朝日杯を解説していたのは私で、逆転の瞬間など目の当たりにして改めて強さを見せつけられることになりました」

 広瀬八段は自身のブログにそう記しています。しかし一方で、ABEMAの大盤解説では藤井二冠の指し手の意図をズバズバ明快に解説していく広瀬八段の強さも光りました。

 広瀬八段は今年度17勝14敗(勝率0.548)。年末には棋王戦挑戦者決定戦で糸谷哲郎八段に敗れて挑戦権を逃しましたが、年明けからは4連勝中と好調です。

 広瀬八段と藤井二冠は過去に3戦して、広瀬1勝、藤井2勝という成績が残されています。

 直近では今年度王将戦リーグで藤井二冠が勝っています。

 ところで昨日、藤井二冠が高校を自主退学したというニュースが報道されました。

 中学時から平日に数多くの対局をこなしてきた藤井二冠。高3の3学期での中退は、天才らしいエピソードと言えそうです。現在でも、あきれるほどに強い藤井二冠。今後は将棋に専念して、さらにパワーアップするのでしょうか。

 広瀬八段は2005年、高校卒業時に四段に昇段。それから早稲田大学に進学しています。そして2010年、大学在学中に王位を獲得。現役の大学生がタイトルを獲得したのは、史上初の快挙でした。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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