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初優勝は若き天才・藤井聡太二冠か? 早見え怪力・糸谷哲郎八段か? 12月12日、銀河戦決勝放映

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 12月12日。第28期銀河戦決勝、藤井聡太二冠(18歳)-糸谷哲郎八段(32歳)戦がおこなわれます。

 藤井二冠は将棋界の王道を歩む若き天才。糸谷八段は将棋界屈指の早見えで怪力の持ち主。頂点を争うにふさわしい好カードとなりました。

 藤井二冠は本棋戦、初の決勝進出となりました。一方で糸谷八段は準優勝した2011年以来の決勝。どちらが勝っても初優勝となります。

 藤井現二冠(当時七段)は本戦Cブロックで出口若武四段、中村修九段、森内俊之九段、郷田真隆九段、稲葉陽八段、羽生善治九段を連破しました。

 羽生-藤井戦は現在、YouTubeにおいて公開されています。

 藤井二冠はさらに決勝トーナメントにおいて増田康宏六段、永瀬拓矢二冠(現王座)、木村一基九段に勝利。並み居る強敵を退けて、決勝まで勝ち進んできました。

 一方の糸谷八段は、本戦Aブロックで松尾歩八段を降して最終勝ち残り者に。決勝トーナメントでは橋本崇載八段、村山慈明七段、三浦弘行九段に勝っています。

 藤井二冠と糸谷八段の公式戦対戦成績は、藤井二冠の3連勝です。

 両者は非公式戦で早指しの第2回AbemaTVトーナメント決勝三番勝負でも対戦(2019年7月配信)。その時は藤井二冠が2勝1敗で制して優勝を飾っています。

 藤井二冠は比較的オーソドックスな居飛車党。対して糸谷八段は変幻自在で独創的な序中盤の作戦をよく見せます。まずは糸谷八段がどのような戦型を選ぶのかが注目されるところでしょう。

 囲碁・将棋チャンネルでは20時からの放映。将棋プレミアムでは18時から「特別先行配信」がおこなわれます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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