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永瀬拓矢王座、全勝で挑戦決定か? 広瀬章人八段、勝って自力残留か? 11月20日、王将戦リーグ最終戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月20日。東京・将棋会館において王将戦リーグ最終戦、一斉対局がおこなわれます。カードは以下の通りです。

△永瀬拓矢王座(5勝0敗)-▲広瀬章人八段(2勝3敗)

▲豊島将之竜王(4勝1敗)-△羽生善治九段(4勝1敗)

▲藤井聡太二冠(2勝3敗)-△木村一基九段(0勝5敗)

※佐藤天彦九段(1勝5敗)は全局終了

 永瀬王座は17日、豊島竜王との全勝対決を制しました。

 現在5戦全勝の永瀬王座は、最終戦の広瀬八段に勝てば6勝0敗で挑戦権獲得。リーグが7人制となった1981年度以降、のべ7人目の全勝達成となります。

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 永瀬王座はもし負けると5勝1敗。豊島竜王-羽生九段戦の勝者と同成績で並ぶため、プレーオフ(挑戦者決定戦)を戦うことになります。

 リーグ残留は成績上位4人まで。ここまで0勝5敗の木村九段と、一足はやく全局を終え1勝5敗の佐藤天彦九段はすでに下位3人に入ることが決まっているため、リーグ陥落が決まっています。

 現在2勝3敗の広瀬八段は、リーグ残留の可能性を残しています。競争相手は同じ2勝3敗の藤井二冠です。

 前年度成績に基づく順位は、広瀬八段が1位、藤井二冠が3位。

 残留争いは同成績で並んだ際には順位が優先されます。

 つまり広瀬八段、藤井二冠がともに勝って3勝3敗となった場合。あるいはともに負けて2勝4敗となった場合には、順位の差で広瀬八段が残留します。

 永瀬王座と広瀬八段の過去の対戦成績は、永瀬王座4勝、広瀬八段2勝です。

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 11月9日、棋王戦勝者組準決勝で両者は対戦しました。先手は広瀬八段。後手番となった永瀬王座は一手損角換わりの作戦を取りました。最後は入玉してきた永瀬玉を広瀬八段が即詰みに討ち取り、161手で熱戦を制しています。

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 王将戦最終局ではあらかじめ、先手は広瀬八段と決まっています。

 対局開始は10時。持ち時間は各4時間(1分未満切り捨てのストップウォッチ方式)。昼食休憩をはさみ、通例では終局は夕方から夜となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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