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ドワンゴさん、これまでありがとう! これからはペコちゃんも応援! 叡王戦の主催社は不二家に交替

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 10月29日。東京・将棋会館において第6期叡王戦に関する記者発表会がありました。

 第5期までの主催は日本将棋連盟と、ニコニコ生放送を運営するIT企業・ドワンゴが務めていました。

 第6期はドワンゴ社に替わって不二家の主催となりました。また特別協賛として、ひふみ、SBI証券が加わりました。

 これまでの叡王戦は七番勝負で、持ち時間が変動制でした。それが第6期からは五番勝負で持ち時間は固定制(各4時間)となります。

 予選が段位別におこなわれる点は変わりません。挑戦者決定戦はこれまでの三番勝負から一番勝負へと変更されます。

 第6期の予選は10月31日、杉本和陽四段-伊藤匠四段戦から始まります。その模様はABEMAで放映されます。

社団法人・日本将棋連盟 佐藤康光会長談

皆様、こんにちは。日本将棋連盟の佐藤康光でございます。

本日はお忙しい中、第6期叡王戦の記者発表会の方に多くの皆様にお越しいただきまして、まことにありがとうございます。こちらの方でですね、今回、叡王戦の発表をさせていただきます。第6期のですね、叡王戦、少しお待たせしておりましたけども、本日詳細を発表いたします。

主催の方がですね、株式会社不二家様にお願いをいたします。主催をしていただけることとなりました。河村社長、ありがとうございます。

また、特別協賛といたしまして、ひふみ投信を運用されております、レオス・キャピタルワークス株式会社様、藤野社長様、今日代表して来ていただいております。ありがとうございます。

また株式会社SBI証券様、この2社に特別協賛をいただくということとなりました。本当にありがとうございます。

主催社が将棋連盟と不二家様。特別協賛がひふみ投信を運用されておりますレオス・キャピタルワークス株式会社様とSBI証券株式会社様の2社というところで、叡王戦を進めて参ります。

少しですね、お話をさせていただきますと、不二家様はですね、来月で創業110周年を迎えられるというところで、大変歴史のある会社というふうにうかがっております。将棋の方もですね、昨年「ペコちゃんはじめての将棋教室」ということで、協力関係を結ばせていただいておりましたけども、今回、叡王戦の方も主催していただけるという運びになりました。非常にですね、今回もご尽力いただいたことを感謝申し上げます。

非常にお菓子というところで有名なところがあるんですけれども、私個人といたしましては洋菓子で「金と銀」というシュークリームがございまして、そういう点で非常に将棋界とご縁があるのかな、というふうに勝手に思っているところでございます。

またですね、ひふみ投信を運用されているレオス・キャピタルワークス株式会社様はですね、藤野社長が本日お越しですけども、大変将棋が熱心でお好きで、強くていらっしゃいまして。そういうご理解のもと今回、特別協賛という形をいただいております。

まあ、ひふみ投信というお名前のあることの通り、非常にこちらもですね、将棋界ともご縁があるのかなと、勝手に思っているところでしたが、今回、こういうご縁をいただきました。ありがとうございます。

SBI証券様もですね、今回、特別協賛いただけるというところで、ホームページ等拝見いたしますと、ネット証券の最大手ということで。「おおて」ということで、そちらも将棋とも縁があるのかなと勝手に思ってるところがございまして。

今回、そういう意味では非常にご縁のある皆様とですね、こちら、叡王戦というタイトル戦を開催できるというところで非常にありがたく思っております。

叡王戦はですね、八大タイトルの一つというところで。一番新しいタイトル戦ということで、3期前の第4期からタイトル戦に昇格ということで、いま現在進んでいるというところがございます。

今回、第6期の叡王戦が始まっていきますけども、皆様に引き続きですね、将棋ファンの皆様、また知らない皆様にも楽しんでいただけるような棋戦、タイトル戦というところで、どんどん新しい形で発表し続ける形ができればというふうに思っております。

関係各位の皆様の、今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願い申しあげます。

第6期叡王戦、もうすぐ始まりますけれども、ご期待いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。私から簡単ですけれども、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございます。

株式会社不二家 河村宣行代表取締役社長談

ただいまご紹介いただきました、不二家の河村でございます。

いま佐藤会長様からお話ありました通り、このたび私ども不二家は日本将棋連盟様とともに、叡王戦を主催させていただくということになりました。

なんでお菓子屋の不二家がですね、将棋のタイトル戦を主催するんだというふうに思われる方もいらっしゃるかもしれませんが。いま佐藤会長様からもいろいろお話がありましたけども、私なりに将棋とお菓子っていうのは関係が深いなと思っておりますのは、棋士の皆様が対局をされるときにはですね、よくお菓子を食べてらっしゃるというお話を聞いております。

お菓子には、皆様ご存知の通り、糖分が多いんですけども、糖分っていうのは、脳のですね、栄養源、エネルギー源になりますので、対局でたぶん棋士の皆さんもたぶん脳をフル回転させて、脳が疲れているところでですね、お菓子を召し上がって、エネルギーを補給されているんではないかと思います。

そう考えれば、私どもはですね、叡王戦をお菓子で応援させていただくということも、非常に意義があるのかなというふうに思っているところでございます。

またですね、この叡王戦を不二家の看板娘のペコちゃんにですね、応援させていただくんですけども、このペコちゃんは今年がちょうど生誕70周年ということで。会社は先ほど、会長さんのお話の通り110年の歴史がありまして。その中、ペコちゃんが70年という歴史がございます。

で、ペコちゃんは70年経ってもですね、70歳ではなくて「永遠の6歳」ということでございまして。このペコちゃんと同様、不二家のお菓子もですね、6歳未満のお子様から、それこそ70過ぎのご年配の方まで、幅広く愛していただいているということが、私ども不二家のお菓子の特長であろうかと思います。

将棋もですね、いま本当に幅広くファン層を広げてらっしゃいまして。まさに将棋連盟様もわれわれもですね、一緒に幅広いファン層をですね、話題をご提供させていただきながら、お互いにさらにファンを深く掘り起こせればいいなというふうに私も思っておるところでございます。

そしてまあ、先ほど佐藤会長様からもお話あったように、私ども、昨年から「ペコちゃんはじめての将棋教室」ということで、お子様向けの将棋教室をですね、これも連盟様と一緒にやらせていただいております。

そういうですね、活動を連盟様の方でも、お子様にファン層を広げていこうということをご興味をもって将棋を普及させるという思いはあるかと思いますけども。私どもでもお子様中心にですね、ご家庭にいつもペコちゃんが思い出として残っているという状態はあってほしいな、という思いがありまして。こういう将棋連盟様のお子様への思いと、私ども不二家のお子様への思いが重なりあって、お子様向けの将棋教室も一緒にやらせていただいたというようなご縁もございます。

まあそんな背景、経緯がありまして、今回、私どももペコちゃんと一緒にですね、お菓子を通して、この叡王戦を応援させていただこうということでですね、この主催をお引き受けさせていただいたということでございます。

それから叡王戦ではですね、ちょうど目の前にあるんですけども、不二家のお菓子を対局中に置いていただきながら、ぜひ脳の栄養補給を棋士の皆さんにもしていただいてですね。またファンの皆様もですね、叡王戦を楽しみながら、ぜひ不二家のお菓子も楽しんでいただこうと。そうなっていただけたら、本当に幸せだなというふうに思っておりますので、今後とも皆様どうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございます。

レオス・キャピタルワークス株式会社 藤野英人・代表取締役会長兼社長談

皆さん、こんにちは。レオス・キャピタルワークスの藤野英人と申します。

当レオス・キャピタルワークスは今年の6月にですね、SBIグループ入りすることになりまして。私たちはいまSBIグループが親会社として、レオス・キャピタルワークスは子会社という形になっております。

今回、棋戦の話を実は、佐藤会長からお話を少しいただいたときに、ぜひさせていただきたいと思ったわけですけども。またこのような将棋連盟の歴史のある将棋の、それも八大タイトルのうちの大事な棋戦ですから。1年2年やってまたいなくなるということはなんとしても避けたい、ということがあったので、長期的にサポートできることが大事だというところで、私たちの親会社のSBI証券の方にお願いして、一緒に将来性のある叡王戦というタイトル戦に対して一緒にスポンサードをしていただけないか、というようなことを親会社の方にお願いしたら、そしたらもう、即決ですね。これをぜひ一緒にやりましょうということで、そういう話になりました。

そもそも投資と将棋なんですけれども、非常に密接な関係があると思っております。そもそも、投資も将棋もですね、深い思考が大事で、読みが重要になってくるわけです。深く読みを入れて、結果的にそのシナリオが当たったときには、大きな成果が出るというところでは、非常に似たものがあるのかなと思っています。

特に叡王戦は、もともと電王戦とのつながりもあって。そもそも前にスポンサーをされていたドワンゴさんから、非常にネット企業として強い会社ですから、というところがありますので、インターネットとの関わり合いが非常に深い棋戦であるというように考えています。SBI証券もご案内の通り、日本で最大のネット証券で、お客様のためにさまざまな情報を提供しておるわけです。

また当社もひふみ投信という投資信託。これは日本で、株式の投資信託だと最大で、投資信託としても最大規模の投資信託になっております。投資信託も非常にこう読みが重要で、かつ、成果がはっきり出てくるというところは、将棋によく似た性格があるのではないかなと思っています。

また、私たちの商品である「ひふみ」という名前は、皆さまも知っての通り、加藤一二三先生から取ったわけではないんですけれど、よく「ひふみ」というふうに言うと、加藤一二三先生とのつながりをいろいろ指摘されます。実際、加藤一二三先生がテレビコマーシャルで大ブレイクしたときに、加藤一二三先生をチェックして検索するために、検索窓を開いたら「ひふみ投信」が検索で出てくる。それから当社のところ口座開設をしていただくという流れもけっこうたくさんあったというふうに聞いております。

そういう目で見ると、私たちひふみは、それからレオス・キャピタルワークス、SBI証券は、将棋に対して非常に共感していますし、さまざまな形でサポートしていきたいなと思っております。これから主催の将棋連盟、不二家さんと一緒にこう伴走して、特別協賛社としてしっかりと、叡王戦をもり立てていこうと思います。今日はどうもありがとうございました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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