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王将戦リーグ大一番▲豊島将之竜王(30)-△藤井聡太二冠(18)戦始まる 過去成績は豊島5連勝

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 10月5日10時。大阪・関西将棋会館において▲豊島将之竜王(30歳)-△藤井聡太二冠(18歳)戦が始まりました。

 両者にとっては今期リーグ2戦目となります。1局目、豊島竜王は木村一基九段に勝利。一方、藤井二冠は開幕戦で羽生善治九段に敗れています。

 豊島竜王の今年度成績は14勝10敗2持将棋です。

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 一方の藤井二冠は22勝5敗です。

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 直近は2連敗。とはいえ驚くべきことに、藤井二冠はこれまで4年間、228局を戦って、3連敗以上を喫したことがありません。

 そうした中で、豊島竜王、藤井二冠は過去に5回対戦して、豊島竜王が5連勝しています。

 藤井二冠がこれだけ負けている相手は、他にはいません。6回目の対戦となる本局ではどのような結果となるでしょうか。

 対局がおこなわれるのは関西将棋会館5階・御上段の間。

 9時40分頃。まず藤井二冠登場。下座に着きます。

 続いて9時54分頃。豊島竜王が床の間を背にして上座に着きました。豊島竜王の髪には少し、寝癖がついているようです。

 将棋界の現在の席次は上から順に渡辺明、豊島、藤井、永瀬拓矢。

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 渡辺王将のブログによれば、渡辺王将は本局、主催のスポーツニッポン紙で解説役を務めるそうです。

 定刻10時。

「それでは時間になりましたので、豊島先生の先手番でお願いします」

 両者一礼して、対局開始。カメラのシャッター音が鳴り響く中、豊島竜王は初手、飛車先の歩を手にして前に進めます。

 藤井二冠はいつものように、グラスに注がれた冷たいお茶を一服。そしてまたいつものように、2手目に飛車先の歩を突きました。そしてすぐにワイシャツ姿となります。

 進んで戦型は相掛かりとなりました。

 16手目。藤井二冠は強く横歩を取り、1歩得の成果を得ます。対して豊島竜王はその分だけ手得することができ、バランスは保たれています。

 10時25分の時点では21手目、豊島竜王が飛車側の桂を跳ねたところまで進んでいます。

 持ち時間は各4時間。昼食休憩をはさんで、通例では夕方から夜にかけての終局となります。

 王将戦リーグは7人総当りで各自6局。成績最上位者が挑戦権を獲得します。過去の例では5勝1敗での挑戦権獲得が多く、4勝2敗ではやや厳しくなります。

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 昨年の王将戦リーグでは、豊島竜王、藤井二冠ともに4勝2敗で挑戦権には届きませんでした。今期はどうなるでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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