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竜王戦本戦準決勝▲久保利明九段(44)-△丸山忠久九段(49)戦始まる 久保九段の作戦は四間飛車

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 8月12日。大阪・関西将棋会館において第33期竜王戦本戦準決勝▲久保利明九段(44歳)-△丸山忠久九段(49歳)戦が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 久保九段は1組3位、丸山九段は2組2位での本戦出場です。

 久保九段は本戦で佐々木勇気七段(2組優勝)に勝利。今期成績は10勝2敗と好調で、最近では王座挑戦も決めています。

 もし王座戦だけでなく竜王戦でも挑戦となれば、この秋は久保九段の対局をたくさん見られることになります。

 一方の丸山九段は今期成績は6勝6敗。そのうちの4勝は竜王戦での勝利です。本戦では藤井聡太棋聖(3組優勝)、佐藤和俊七段(1組2位)を連破してベスト4まで進みました。

 平成の間、長きにわたってトップクラス同士として対戦してきた両者。対戦成績は久保九段25勝、丸山九段21勝と拮抗しています。

 両者は2011年の挑戦者決定戦でも対戦。その時は丸山九段が2勝1敗で挑戦権を獲得しています。

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 令和に入ってから両者が対戦するのは、初のことになります。振り駒で先手番となった久保九段でした。振り飛車党期待の星である久保九段が、まずはどこに飛車を振るのかが注目されたところ。

 9手目、久保九段は四間飛車に振りました。そしてオーソドックスに美濃囲いを作ります。

 対して丸山九段は急戦、持久戦、どちらでも望める構え。26手目、四段目に角を上がったのは現代風です。ここからどのような玉形に組むのか。あるいはすぐに戦いが始まるのか。

 27手目、久保九段は攻撃陣側の端の香を上がります。相手の角筋をあらかじめ避ける、振り飛車側常用の手筋です。

 12時。丸山九段の手番で昼食休憩に入りました。

 竜王戦本戦の持ち時間は各5時間。昼食休憩、夕食休憩をはさんで、通例では夜に終局となります。

 明日13日にはもう一方の準決勝、羽生善治九段(49歳)-梶浦宏孝六段(25歳)戦がおこなわれます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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