Yahoo!ニュース

「はっきりよくできる手がわからなかった」名人戦第5局終局後、豊島将之名人コメント全文

松本博文将棋ライター
(記事中の写真撮影・画像作成:筆者)

豊島将之名人「(22手目)△4二飛とされてまあ、難しい将棋というか、互角に近い将棋・・・ですかね。そういう認識でしたけど。(29手目▲9七桂以下は)ちょっと変な形なんで、どうなってるのかよくわからなかった・・・。△9五角と出て、ちょっと後手も対応が難しいのかなあと思ったんですけど。(43手目▲4五桂と跳ねたあたりは)やれそうな気もしたんですけど、結局よくわからなったですね。▲4五桂跳ねたらたぶん(53手目の)封じ手のあたりまではこっちは仕方がない感じなので。封じ手のところは、まあなんか雰囲気は指せそうな気もしたんですけど、結局なんか、▲4六歩と▲4七歩と両方考えたんですけど。まあ、そんなにはっきりよくできる手がわからなかったので。結局、難しかった・・・まあ、見た目はよさそうでしたけど難しかったような。(69手目)▲8六桂とか(77手目)▲5八銀とか打たないといけないのでは、なんかあんまりうまくいってないような気もしたんですけど。まあでも後手からの手も難しいような気もしたので、いい勝負というか、まあちょっとよくわからなかったです。(87手目▲6七銀上と)上がらないで△7八歩成とされたら厳しそうなので。まあとりあえず上がって。相手の応対がまあいろいろありそうなので。まあとりあえず上がったという感じですけど。▲5八銀と打った局面に比べたら、見た目の雰囲気はよくなっている気もしたんですけど、結局なんかはっきりしないので。(2日目夕休後、95手目▲8一飛成に△8二銀と)銀打たれてまずかったんで(▲8六飛成と相手の歩を取りながら)8六に成るしかなかったですね。でも8六に成ったとしても龍が追い返されていって、まあ自陣に戻っていく感じになるので。後手もけっこう駒たくさん持ってるので。あんまり自信はなかったんですけど、そうやれば長い将棋になってたので、まあそう指すしかなかったかなと。(一局を振り返って)模様がよさそうな局面が、読んでみるとそうでもないというか。封じ手のあたりとかはなにかうまくまとめたい局面でしたけど。まあちょっとわからなかったですね。(8月14日・15日の第6局に向けて)次、すぐあるので。叡王戦の対局(中1日で10日に第7局)もあるので、コンディションを整えてがんばりたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

松本博文の最近の記事