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「タイトル戦で振り飛車でも戦えるというところを証明していきたい」王座挑戦を決めた久保利明九段コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成、写真撮影:筆者)

久保利明九段「(一局を振り返って)少し仕掛けたあたりからよかった局面もあったと思うんですけど。途中で少し間違えてしまって混戦になって。夕休あたりは少し苦しいのかなと思いつつ、そのあとも難解な将棋だったと思います。(ポイントとなったのは)感想で長めにやってましたけど、夕休あたりですね。攻めるタイミングが、先に歩を打つのかとか、先に飛車成るのかとか、そういうタイミングがこちらにわるい変化があったと思うので。そのあたりで、ちょっと苦しいとは思ったんですけども。(勝ちを確信したのは)最後も詰む、詰まないをちょっと読みきれてないところもあったので。最後、角をはずして詰みが見えたところで勝ちになったかなと思いました。(永瀬拓矢王座のイメージは)負けづらい将棋といいますかね。少しずつ得を積んでいくというか、プラスを積んでいく将棋だと思うんですけども。すごく強敵だと思います。(対策は)まだ特にちょっと考えてないんですけど(笑)。始まるまでにしっかり準備していきたいなと思います。(五番勝負は)私自身が、少し間は空いたんですけど、また挑戦することができたんですけども、振り飛車党でタイトル戦というのも、あまりいないと思いますので。振り飛車党のアマチュアの方も多いと思いますので、タイトル戦で振り飛車でも戦えるというところを証明していきたいなと思います。(視聴していたファンに向けて)本日はおつかれさまでした。振り飛車党のタイトル戦というのは久しぶりだと思うんですけど、振り飛車でも戦えるというところを証明していければなと思っています」

2007年、王座戦五番勝負で戦う久保利明八段
2007年、王座戦五番勝負で戦う久保利明八段

 永瀬王座(叡王)と久保九段はこれまでに3局対戦して、永瀬王座2勝、久保九段1勝となっています。

 戦型は、最初の一局は相振り飛車。あとは久保九段が飛車を振っての対抗形となっています。

 両者は五番勝負開幕前に8月29日、将棋日本シリーズ・JTプロ公式戦2回戦でも対戦します。

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 久保九段は8月27日に誕生日を迎え、45歳となります。一方で永瀬王座は9月5日に28歳となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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