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7月19日14時から叡王戦第3局、19時から第4局 永瀬拓矢叡王(27)-豊島将之竜王・名人(30)

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月19日。愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」において叡王戦七番勝負第3局、第4局がおこなわれます。

 第3局は14時から。先手番は永瀬拓矢叡王(27歳)。

 第4局は19時から。先手番は挑戦者の豊島将之竜王・名人(30歳)となります。

 両者の過去の対戦成績は3勝3敗1持(1千日手)とまったくの五分です。

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 第2局(持ち時間各5時間)は持将棋が成立しました。

 叡王戦の規定上では、両対局者が望めば同日中に「指し直し」(この時は持ち時間各1時間)をする余地がありました。しかし両対局者は運営側の提案に従う形で、その日はもう指さないことに同意しています。

 叡王戦七番勝負は6時間、5時間、3時間、1時間と、各局で違う持ち時間が採用されるのが大きな特色です。7月19日は第2局の「指し直し」と見なして1時間なのか、5時間なのか。それとも予定通り第3局、第4局として1時間ずつでおこなうのか。

 関係者間での協議の結果、第2局は完結して持将棋引き分けとなりました。これは従来の将棋界のルールにも従った形となります。タイトル戦の持将棋は1局と見なされ、対局者の生涯対局数に加えられます。

 そして7月19日の対局は、七番勝負が始まる前に決められた予定通り、持ち時間各1時間で第3局、第4局がおこなわれます。

 七番勝負で独立した(指し直しではない)2局が指されるのは、将棋史上初のこととなります。

 延期からの開幕のあとは、千日手、持将棋と波乱の展開となった七番勝負。現在は第8局の準備も始まっているようです。

 ただしもし本日、豊島挑戦者が連勝すれば、中3日おいての23日第5局で決着する可能性も出てきます。豊島挑戦者が突き進むのか、それとも永瀬叡王が巻き返すのか。注目です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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