緊急事態宣言が延長されると、名人戦と叡王戦の七番勝負開幕も再延期されるのか?
豊島将之竜王・名人は1990年4月30日生まれ。本日誕生日を迎えて、30歳となりました。
豊島竜王・名人の対局は、最近ではAbemaTVトーナメントの早指しで見ることができました。チーム豊島のAリーグ予選の対局は、2月9日に収録されたものでした。
豊島竜王・名人は本来であれば今頃、名人戦と叡王戦、2つのタイトル戦を並行して戦っているはずでした。しかし両方ともに、コロナ禍の影響で開幕が延期されています。
緊急事態宣言は5月6日までの期限が設けられています。もしそれが延長されるとなれば、将棋界の対局進行に、さらに重大な影響を与えそうです。
豊島竜王・名人(30歳)、渡辺明三冠(36歳)、永瀬拓矢二冠(27歳)ともに、この状況で待機を余儀なくされ続けているのはつらいものがあるでしょう。
渡辺三冠のブログには、そうした苦悩がつづられています。
今期で78期の歴史を迎える名人戦。第2期には現在の七番勝負の形式が確立しました。しかし戦時中や戦後すぐには、形式変更を余儀なくされました。
第2期、第3期の七番勝負は1局が3日をかけておこなわれ、持ち時間は各15時間という設定でした。
戦時中の混乱期の名人戦の事情については複雑なのでここでは詳細は省略します。第4期、第5期、第6期と番勝負はおこなわれませんでした。
戦後、1947年の第6期には七番勝負は開催されました。しかし1局は1日指し切りで、持ち時間は各8時間へと変更されています。
第1期から長く名人位に君臨した木村義雄名人も、そうした事情には翻弄されました。若き塚田正夫八段の挑戦に2勝4敗(1持2千)で敗れ、名人位を明け渡しています。
第8期は名人戦史上、唯一の五番勝負となりました。そこで木村前名人は塚田名人にリターンマッチを挑み、カムバックを果たしています。
1950年の第9期からは、七番勝負の2日制に戻りました。持ち時間は各10時間。1968年の第27期からは各9時間となって、現在に至っています。
過去の事例をかんがみると、今期名人戦、叡王戦もまた、開催方式が大きく変更されることもありそうです。
女流棋界では、女流王位戦五番勝負は開幕が延期されています。
マイナビ女子オープン五番勝負は第2局までおこなわれています。ただし対局場は、第2局の山梨県、第3局の埼玉県から、東京・将棋会館に変更されました。
名人戦七番勝負もかつて、将棋会館でおこなわれたことがありました。持将棋1回、千日手2回を含んで「十番勝負」とも称される1982年の名人戦七番勝負は、最終局は将棋会館でした。