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佐々木大地五段(24)王位挑戦の可能性を残す3勝目 リーグ紅組で本田奎五段(22)に勝利

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月15日。東京・将棋会館において王位戦リーグ紅組▲本田奎五段(24)-△佐々木大地五段(25歳)戦がおこなわれました。10時に始まった対局は17時9分に終局。結果は70手で佐々木五段の勝ちとなりました。

 佐々木五段のリーグ成績はこれで3勝1敗。紅組優勝、王位挑戦権獲得の可能性を残しました。

 最終戦の組み合わせは以下の通りとなります。

▲永瀬 拓矢二冠(4勝0敗)-△本田 奎五段(1勝3敗)

▲佐々木大地五段(3勝1敗)-△豊島将之竜王・名人(3勝1敗)

▲鈴木 大介九段(1勝3敗)-△佐藤秀司七段(0勝4敗)

 永瀬二冠は勝つと5勝0敗で紅組優勝決定。挑戦者決定戦に進出します。

 永瀬二冠が敗れると豊島竜王・名人-佐々木五段戦の勝者と4勝1敗で並び、プレーオフを戦います。

 コロナ禍の影響により現在は多くの対局が延期されています。最終戦の日程は現在のところ発表されていません。

佐々木五段、相掛かり後手番で快勝

 佐々木五段と本田五段が両者棋士(四段)となってからの対戦成績は、佐々木五段3勝、本田五段1勝。本田五段は棋王戦挑戦者決定戦での値千金の1勝を挙げています。

 最近よく当たる両者。明後日17日には王将戦一次予選での対戦も控えています。

 本局は本田五段が先手で、戦型は得意の相掛かりに進みました。

 21手目。本田五段は桂を中段に跳ね出して、あとに引けない戦いを挑みます。佐々木五段も強気に応戦して、序盤早々から乱戦となりました。

 互いに角を打って飛車を取り合う華々しい進行で、リードを奪ったのは佐々木五段のようです。駒割は▲飛金と△角銀桂の交換となり、損得は微妙ですが、玉の安全度など、諸要素を考慮に入れると、佐々木五段優勢の終盤戦となりました。

 58手目、佐々木五段は攻防に利く角を放ちます。これが決め手で、佐々木陣に打ち込まれた飛車をただで取ることができては勝負あり。佐々木五段が短手数で快勝を収めました。

 紅組、白組ともにこれで4回戦までの対局はすべて終了しました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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