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藤井聡太七段(17)棋聖戦準決勝で佐藤天彦九段(32)と対戦決定(ただし新型コロナ禍で対局日は延期)

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月10日。東京・将棋会館において第91期ヒューリック杯棋聖戦・決勝トーナメント2回戦(準々決勝)▲郷田真隆九段(49歳)-△佐藤天彦九段(32歳)戦がおこなわれました。

 対局は10時開始。戦型は相矢倉となりました。先手の郷田九段は銀桂交換の駒損ながら玉形をキープ。もらった桂を味よく反撃に使って、中盤ではややリードを奪いました。

 粘りが身上の佐藤九段は苦しい局面を持ちこたえます。

 そして終盤戦。佐藤九段が王手で金を捨てる鬼手を放ちました。これが次の一手のような犠打で、佐藤九段が優位に立ちます。

 秒読みの中、きわどい終盤戦が続きました。そして最後は佐藤九段が郷田玉を詰ませて、19時48分、130手で終局。佐藤天彦九段がトーナメント準決勝に進出しました。

 準決勝の組み合わせは以下の通りとなりました。

永瀬拓矢二冠-山崎隆之八段

佐藤天彦九段-藤井聡太七段

 渡辺明棋聖への挑戦権を獲得するのは、4人の棋士のうちの誰でしょうか。

 棋士はどこに住んでいても、関東と関西、いずれかに所属します。永瀬二冠、佐藤九段は関東。山崎八段、藤井七段は関西です。コロナウイルス感染防止のため、長距離の移動をともなう東西間の棋士の対局は延期され、5月7日以降におこなわれることが発表されています。

 現在は、状況が好転し、ウイルス感染の心配がなくなる時を待つのが最善の局面のようです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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