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西山朋佳女流三冠(24)新人王戦2回戦で長谷部浩平四段(25)と4月10日対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月10日。東京・将棋会館において第51期新人王戦2回戦・長谷部浩平四段-西山朋佳女流三冠戦がおこなわれます。両者にとっては今期新人王戦初戦。勝った方が最後のベスト16進出者となります。

 両者は先日、竜王戦6組準々決勝でも対戦。結果は西山女流三冠の勝ちでした。

 今期新人王戦は奨励会三段の活躍がめざましく、三段勢が四段以上の錚々たる若手棋士を破ってベスト16に進出しています。

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 関矢寛之さんは残念ながら昨期三段リーグをもって退会が決まりました。しかし新人王戦では勝ち進み、阿部光瑠六段に勝ってベスト16にまで進んでいます。

 現在まで勝ち残っている三段は以下の通りです。

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 西山女流三冠は今期、女流タイトルホルダーとして女流枠で出場しています。

 奨励会三段の立場としては、昨期三段リーグで次点となりました。

 規定では次点2回で四段昇段(フリークラス入り)の権利を得ます。

 また新人王戦は三段が優勝すると、三段リーグにおける次点1回が付与されます。もし西山女流三冠が今期優勝を果たしたら、どういう扱いになるのでしょうか。

 なお今期三段リーグはコロナウイルス感染拡大の影響にともない、4月開幕の予定が延期されています。予定では9月中に今期リーグを終えることになっているようですが、その時にはもちろん、西山新四段が誕生している可能性もあります。新人王戦決勝三番勝負は例年、10月におこなわれます。

 西山女流三冠は現在、女王の立場として、マイナビ女子オープン五番勝負で防衛戦を戦っています。第1局は挑戦者の加藤桃子女流三段に敗れています。

 西山女流三冠であっても、女流タイトル戦で敗れることはあります。女流棋界でもまた、ハイレベルな競争が繰り広げられています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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