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タイトル挑戦目指す藤井聡太七段(17)4月10日に元王位・菅井竜也八段(27)と王位戦リーグ全勝決戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月10日。大阪・関西将棋会館において王位戦リーグ白組▲菅井竜也八段(27歳)-△藤井聡太七段(17歳)戦がおこなわれます。

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 菅井八段、藤井七段ともに現在は3連勝中。勝者がリーグ優勝に近づく大一番です。

 2017年、菅井七段(当時)は王位挑戦権を獲得。七番勝負で羽生善治王位に挑戦し、4勝1敗で初タイトルを獲得。平成生まれとしては初のタイトルホルダーとなりました。

 翌2018年、菅井王位は豊島将之挑戦者に3勝4敗で敗れ、タイトルを明け渡します。

 2019年、菅井七段はリーグ紅組に参加。令和初日の5月1日、木村一基九段(当時)と将棋史に残る死闘の末に317手で敗れています。リーグ成績は4勝1敗で木村九段と並び、プレーオフで再戦。今度は207手で敗れ、リターンマッチはなりませんでした。

 木村九段は挑戦者決定戦で羽生善治九段に勝利。七番勝負では豊島王位を相手に4勝3敗をあげ、46歳で悲願の初タイトルを獲得しています。

 菅井八段は今期リーグでここまで3連勝。挑戦権を獲得すれば、2年ぶり3度目の七番勝負登場となります。

 一方の藤井七段は今期、初めて予選を勝ち抜いて史上最年少で王位戦リーグ参加。そしてこちらも3連勝と、期待に違わぬ勝ちっぷりを見せています。

 両者の過去の対戦成績は、菅井八段2勝の後、藤井七段3勝。2020年に入ってからは3度目の対戦となります。

 竜王戦3組準決勝でもし菅井八段が杉本昌隆八段に勝っていれば、そちらの決勝でも菅井-藤井戦というカードになるところでした。

 要するに両者ともに、各棋戦でコンスタントに上位に勝ち上がっているわけです。

 愛知県瀬戸市在住の藤井七段は現在、対局のたびに東西の将棋会館に移動しています。コロナウイルス感染拡大が続く現在、長距離移動をともなう棋士の対局は、原則的に5月7日以降に延期されることが発表されました。

 藤井七段にとってはこの王位戦リーグ菅井八段戦を最後に、最短でも約1か月もの間、対局はつかなくなります。

 14日に予定されていた王座戦二次予選、大橋貴洸六段戦も延期となります。

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 また17日に予定されていた棋聖戦準決勝(郷田真隆九段-佐藤天彦九段戦の勝者と対戦)も延期となりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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