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挑戦権争いに踏みとどまれるか? 羽生善治九段(49)王位戦リーグで阿部健治郎七段(31)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 3月23日10時。東京・将棋会館において王位戦リーグ白組▲羽生善治九段(49歳)-△阿部健治郎七段(31歳)戦が始まりました。

 ここまでのリーグ成績は、羽生九段は1勝1敗です

 阿部七段は0勝1敗。リーグ優勝(挑戦者決定戦進出)を目指す上では、両者ともに負けられない一戦となります。

 両者は過去に3回対戦しています。

 最初は2011年銀河戦決勝トーナメント(▲阿部四段-△羽生二冠)。阿部四段先手で、戦型は相掛かり。羽生二冠は阿部四段相手に終盤ではピンチに立たされていましたが、最後は逆転勝ちを収めています。

 2局目は2015年度棋王戦本戦トーナメントで、勝者組ベスト4をかけての戦い(▲羽生名人-△阿部五段)。羽生名人先手で、戦型は角換わり腰掛銀。きわどい最終盤の局面で、阿部五段は詰めろ逃れの詰めろで歩頭に△5六金と出る、鮮烈な妙手を放っています。これで阿部五段の勝ち。この一局は2015年度の名局賞特別賞に選ばれています。

 3局目は昨年2019年1月に指された竜王戦1組ランキング戦1回戦(▲羽生九段-△阿部七段)。後手番の阿部六段は一手損角換わりから右玉の作戦を見せます。中盤では阿部七段有望とも見られましたが、終盤の競り合いを羽生九段が制して勝利を収めています。

 ここまでの両者の対戦成績は羽生九段2勝、阿部七段1勝となります。

 本局、後手番の阿部七段は再び一手損角換わりの作戦を取りました。羽生九段が棒銀の構えを作ったのに対して、阿部七段は向かい飛車で受けました。

 11時30分の時点では27手まで進んでいます。

 持ち時間は各4時間。昼食休憩(12時-12時40分)をはさんで、通例では夜に終局となります。

 なお本日は王位戦リーグ紅組も以下の2局がおこなわれています。

△永瀬拓矢二冠(2勝0敗)-▲佐々木大地五段(2勝0敗)

▲豊島将之竜王・名人(2勝1敗)-△鈴木大介九段(1勝2敗)

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将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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