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A級順位戦8回戦一斉対局終了 久保利明九段(44)大逆転勝ちを収めるも無念の降級決定

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月29日、東西の将棋会館にわかれてA級順位戦8回戦がおこなわれました。結果は以下の通りです。

渡辺 明三冠(8勝0敗)○-●糸谷哲郎八段(3勝5敗)

広瀬章人八段(5勝3敗)○-●佐藤天彦九段(3勝5敗)

三浦弘行九段(4勝4敗)●-○久保利明九段(2勝6敗)

羽生善治九段(4勝4敗)○-●木村一基王位(3勝5敗)

佐藤康光九段(4勝4敗)●-○稲葉 陽八段(4勝4敗)

 最後に残った三浦九段-久保九段戦は24時42分に終局。三浦九段勝勢の局面でまさかの落手が出て、三浦玉は頓死。結果は155手で、久保九段が大逆転勝ちを収めました。

 しかし久保九段勝利の前に、残留を争う稲葉八段が勝っていたため、既に久保九段の降級は決まっていました。

 最終9回戦一斉対局は2月27日、静岡県静岡市・浮月楼でおこなわれます。対戦カードは以下の通りです。

△渡辺 明三冠(8勝0敗)-▲三浦弘行九段(4勝4敗)

△広瀬章人八段(5勝3敗)-▲木村一基王位(3勝5敗)

▲羽生善治九段(4勝4敗)-△佐藤康光九段(4勝4敗)

▲佐藤天彦九段(3勝5敗)-△稲葉 陽八段(4勝4敗)

▲糸谷哲郎八段(3勝5敗)-△久保利明九段(2勝6敗)

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 久保九段の他に降級の可能性があるのは3勝5敗の佐藤天彦九段、糸谷哲郎八段、木村一基王位の3人。佐藤天彦九段、糸谷八段は順位上位のため「自力」の状態で、勝てば残留が決まります。順位下位で「他力」の木村王位は、自身が勝って、他の2人のいずれかが敗れた際に残留となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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