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9月8日は日本将棋連盟の創立記念日

松本博文将棋ライター
(記事中の写真撮影:筆者)

 まずはクイズから。

 問題1:「公益社団法人 日本将棋連盟」が制定している「将棋の日」はいつでしょう?

 これはご存知の方も多いかもしれません。

 正解は11月17日です。

 江戸時代、旧暦の11月17日は、名人をはじめとする将棋の高段者が江戸城で将棋を披露することが恒例でした。その故事にちなんで、1975年、将棋連盟は新暦の11月17日を「将棋の日」と定めています。

 「将棋の日」の前後には、大きなイベントが開催されます。そのこともあって、現在では比較的「将棋の日」の知名度は高いものと思われます。

 江戸時代には囲碁も同様に「御城碁」がありました。ちなみに2013年、囲碁の団体である日本棋院は、1月5日を「囲碁の日」と定めています。「1(い)5(ご)」の語呂合わせとともに、新年の「打ち初め式」がおこなわれる日でもあります。

 続いて、今度は難問です。

 問題2:日本将棋連盟の創立記念日はいつでしょう?

 これがわかる方は、相当な将棋通だと思われます。筆者は何度か業界関係者が集まった場で出題してみましたが、知っている人はわずかでした。ヒントは・・・あっと、この記事のタイトルに書いてありますね。

 正解は、9月8日です。

 わかったという方は素晴らしいです。続いて最後の問題です。

 問題3:本日2019年9月8日、将棋連盟は創立何年目を迎えたでしょう?

 1924年当時、東京の将棋界では、関根金次郎名人、土居市太郎八段(後に名誉名人)、大崎熊雄七段(後に九段)がそれぞれ率いる三派の団体がありました。それらが合同して「東京将棋連盟」結成。それがやがて現在の日本将棋連盟へと発展していきます。9月8日は「東京将棋連盟」創立の日が由来となっている、というわけです。

 「将棋の日」と違って、こちらは一般向けの大規模なイベントはおこなわれません。代わりに創立記念日の前後、将棋の普及、将棋文化の振興に貢献した人物や団体に贈られる「大山康晴賞」の授賞式がおこなわれています。

 東京将棋連盟の昔から数えて、2005年に日本将棋連盟は創立81周年を迎えました。「81」は将棋盤のます目の数ですので、将棋界では「吉数」と見なされています。この時には少し積極的に、創立記念日に関するPRがされていたと筆者は記憶しています。

 というわけで、先ほどの問題3の答えですが、本日2019年9月8日は、日本将棋連盟にとって創立95周年に当たります。

 100周年にあたる2024年までには、将棋会館の移転が計画されています。5年後のメモリアルイヤー、はたして将棋界はどのように変わっているでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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