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連珠の新名人に中山智晴さん

松本博文将棋ライター
連珠界の最高峰・名人位に就いた中山智晴八段
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 2017年12月23日、東京都練馬区の向山庭園でおこなわれた第55期連珠名人戦五番勝負第4局は、115手で満局(引き分け)となった。その結果、対戦成績は中山智晴八段(26)の2勝2分となり、中村茂名人(58)を降して、名人位に就いた。平成生まれとしては、初めての名人となる。

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中山智晴新名人談

「とりあえず、ほっとしました。打っている最中はずっと、負けたかと思ってやっていました。(新名人になったという)実感はあまりないです。中村さんがずっと名人で、『若手がいずれ、世代交代しなければいけない』と言われていましたので。挑戦権を取った時には、そのつもりでいました。囲碁や将棋などでは、若手が上がってきているじゃないですか。『じゃあ、連珠はどうなの』という意識はしていました。いま新しいアプリ(五目クエスト)が出たので、スマートフォンでやっています。(第4局の序盤の打ち手が早かったのは)持ち時間が5分とすごく短いので、そのリズムで打ってしまったかなと(笑)世界選手権が直前にあって、ちょっと今のままではダメかな、と思っていました。(タイトルを守る立場となって)そうですね、なるべく、最善を尽くせればいいなと思います」

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中村茂前名人談

「(中山新名人は)それはもう、ずっと前から、強いと思っていました。今期は、完封されちゃいましたね。(五番勝負で中村さんが)1勝もできなかったのは、何十年ぶり? (1976年に、当時17歳だった中村名人が3連敗で奪取された14期以来で)じゃあ41年ぶりですか(苦笑)。(中山新名人に望むことは)そうですね、世界戦でがんばって、いい成績を挙げていただきたいと思います。(名人位を失って)そろそろ世代交代をしていただいて・・・(関係者から『そんなこと思ってないよ!』という声に)うん、そうですね(笑)」

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岡部寛九段談

「自分より若い名人が誕生したのは初めてです。三十代前半はひとつの勢力なのですが、それより若い名人が誕生したのは、刺激になると思います」

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(現地の大盤解説会)

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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