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主な新興国/米国経済ニュース(25日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

18-22日のロシアRTS指数、1260.07―2週続伸=BRICs市況

前週(18-22日)のロシア株式市場は、ウクライナ危機に絡んだ西側の対ロ追加制裁の可能性が後退し、世界の株式市場も持ち直したことを受けて、RTS指数(ドル建て)の22日終値が前週比2.3%高の1260.07と、週間ベースで2週連続の上昇となり、株価の水準も7月下旬の水準にまで持ち直した。

週明けの18日は、ウクライナ危機の解消を目指して、ベルリンで開かれたロシアとドイツ、フランス、ウクライナの外相級会談で進展が見られたことや海外市場の堅調を受けて、RTS指数は4営業日続伸。それ以降の19-21日もウクライナとイラクの緊張緩和や海外相場の回復を背景にRTS指数は続伸しV字回復した。特に、26日にウクライナの首都ミンスクで、ロシアとカザフスタン、ベラルーシの旧ソ連の3カ国で構成する関税同盟の首脳会談が開催される際に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領と個別に会談する可能性が出てきたことから、緊張緩和期待で相場が下支えされた。ただ、週末22日はこれまでの急ピッチの相場上昇による高値警戒感から利食い売りが活発となり、RTS指数は小反落した。

今週(25-29日)のロシア市場は、22日に米ワイオミング州ジャクソンホールで行われたFRB(米連邦準備制度理事会)のジャネット・イエレン議長の演説内容やウクライナ危機、イラク情勢の進展に左右される見通し。また、26日のロシアとウクライナの両国首脳会談も市場の焦点となるもよう。

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前週のインド株は2週続伸―海外市場堅調で=BRICs市況

前週(18-22日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の22日終値は、前日比0.2%高の2万6419.55となり、週間では15日終値比316ポイント(1.21%)高となった。週間ベースでは2週連続の上昇。

週明けの18日のSENSEXは、モディ首相が15日の演説で製造業を支援すると発言したことや欧州市場の堅調を受けて、5営業日続伸となった。19日も原油価格の低下と海外からの投資資金の流入が続き最高値を更新して6営業日続伸となったが、20日は自動車や石油・ガス、消費財を中心に利益確定売りが広がり、SENSEXは反落した。21日は小反発し、週末の22日も銀行株が買われたほか、米国の強い経済指標を受けて、IT関連銘柄にも買いが広がり、SENSEXは2日続伸となった。

今週(25-29日)のインド市場に影響を与える主な経済指標は、25日の4-6月期経常収支と4-6月期GDP(国内総生産)伸び率などの発表などが予定されている。

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前週のブラジル株は2週続伸―新大統領候補の高い支持率で=BRICs市況

前週(18-22日)のブラジル株式市場は、22日のボベスパ指数が15日終値から2.5%高の5万8407.32と、2週連続で上昇し、月初来で4.62%高、年初来では13.4%高の高水準となった。

ボベスパ指数は週明けの18日から21日まで6営業日連続で上昇した。地元紙フォリャ・ジ・サンパウロの世論調査で、大統領選の決選投票で、マリナ・シルバ氏の支持率が47%、現職のジルマ・ルセフ大統領の支持率は43%となったことや、中央銀行が融資を最大1500億レアル(約6.9兆円)拡大する措置を講じたことで景気減速懸念が後退して買い安心感が広がり、相場は上昇した。

しかし、週末の22日はFRB(米連邦準備制度理事会)のジャネット・イエレン議長とマリオ・ドラギECB(欧州中央銀行)の米ワイオミング州ジャクソンホールでの講演に市場の関心が集まったが、いずれも従来の金融スタンスに変わりがなかったことから、失望売りが広がり、1%安と、7営業日ぶりに反落した。

今週(25-29日)の株式市場は、引き続き、大統領選挙を控えた世論調査の結果などに左右される展開が予想される。また、主な経済指標や行事は、7月銀行貸出残高(26日)や8月消費者信頼感指数(28日)、4-6月期GDP(国内総生産)伸び率(29日)などの発表が予定されている。

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衣料品ギャップ、2014年5-7月期は利益予想上回り株価急騰

米衣料品小売りチェーン最大手ギャップ<GPS>が先週21日に発表した2014年5-7月期(第2四半期)決算は、純利益が前年比10%増の3億3200万ドル(約350億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同17%増の75セントとなった。また、自社ビルの売却益など一時的項目を除いた調整後1株当たり利益は70セントとなり、アナリスト予想の69セントを上回った。

一方、売上高は同3%増の39億8000万ドル(約4100億円)となり、アナリスト予想と一致した。既存店ベースでは前年比横ばいとなり、前年同期の同5%増を下回った。

2014年通期の業績見通しについては、自社保有ビルの売却益を織り込んだため、1株当たり利益を従来予想の2.9-2.95ドルから2.95-3ドルへ上方修正した。また、同社は来年、インドに「ギャップ」ブランドの新店舗をオープンしインド市場への進出を果たすほか、中国市場でも当期中に5店舗増設したことも明らかにした。

この決算結果を受けて、同社の株価は22日、5.21%高の45.43ドルで引け、その後の時間外取引でも米東部時間午後7時45分時点で、0.11%高の45.48ドルと、一段高となっている。

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GM、ロシア工場の操業短縮と拡張計画見直しへ―販売不振で

米自動車最大手ゼネラル・モーターズ<GM>は、ロシアの自動車市場の販売不振を受けて、来年のサンクトペテルブルク工場の拡張計画を見直す方針だ。ロシアのプライム通信(電子版)が22日に伝えた。

これはGMのロシア法人の代表であるビクトーリヤ・チュイキナ氏がプライム通信に明らかにしたもので、GMはサンクトペテルブルク工場の自動車生産台数を現在の年間9万8000台から2015年に23万台へと、2倍以上に拡張する計画だった。現在は同工場では、「シボレー」や「クルーズ」、「オペル・アストラ」、「トレイルブレイザー」が生産されている。

また、同社はロシア市場での売り上げ減少に対応するため、8-11月中に1カ月半の夏休み休業を予定している。夏休みは通常1カ月なので長めの休業となる。同社は2-3月に2週間、7月も11日間の休業を実施している。ロシアに進出している外国企業で構成する欧州ビジネス協議会(AEB)によると、ロシア全体の1-7月期の新車販売台数(乗用車と軽商用車)は前年比9.9%減の141万台と、大幅に落ち込んでいる。

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ロシアのロスネフチ、ノルウェー石油掘削会社の株式30%取得へ

ロシア国営石油・天然ガス開発大手ロスネフチは先週末、ノルウェー石油掘削大手ノースアトランティック・ドリリング<NADL>の発行済み株式30%を現物資産と現金の組み合わせで取得することで最終合意したことを明らかにした。

ロスネフチは株式取得費用をねん出するため、ロシア国内に保有する約150基の陸上石油掘削設備をノースアトランティックに引き渡すほか、ノースアトランティックの新株(1億株)を1株当たり9.25ドルで買い取り、差額は現金で支払うもよう。また、ロスネフチは将来、ノースアトランティックへの出資比率を引き上げるオプションも取得することで合意した。

このほか、ロスネフチはノースアトランティックに新規投資する計画で、投資規模などについては株式取得が完了する今年末までに決めるとしている。

現在、ノースアトランティックの株式の70%は米石油掘削大手シードリル<SDRL>が保有しているが、ロスネフチの株式取得後は50%超に低下する。ロスネフチは現在、西側の対ロ制裁第3弾の対象となっており、また、ノースアトランティックはニューヨーク証券取引所に上場されているが、ノースアトランティックのアルフ・ラグナル・ロブダルCEO(最高経営責任者)は、「今回のロスネフチの株式取得には影響はない」としている。

ロスネフチとノースアトランティックは5月に仮合意しており、その中で、ノースアトランティックがロスネフチに6基の海洋石油掘削設備を2022年まで提供するとしている。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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