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主な新興国経済ニュース(4月2日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

【ロシア‐4月2日】第1副首相:キプロスの個人預金者の損失救済は検討していない

ロシアのイゴール・シュワロフ第1副首相は1日、国営テレビ局ロシア1のトークショー番組で、債務・金融危機に直面しているキプロスのライキ銀行とキプロス銀による10万ユーロ(約1210万円)超の大口預金凍結で預金額の40‐80%の損失を受けると見られているロシア人の個人預金者に対する救済策は検討していないことを明らかにした。ノーボスチ通信(電子版)が伝えた。

ただ、同副首相は、ロシアの国営企業がキプロスの預金凍結で甚大な損失を受けた場合には、ロシア国内で対応策を検討したい考えを示している。ロシアの企業や個人の預金額はキプロス全体の預金額680億ユーロ(約8.2兆円)の3分の1に相当する300億ユーロ(約3.6兆円)超となっている。

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【ロシア‐4月2日】スウェーデン携帯電話大手テレ2のロシア法人買収めぐり競争激化

スウェーデン携帯電話大手テレ2グループのロシア法人、テレ2ロシアの買収をめぐって競争が激化している。当初、テレ2ロシアの買収ではロシア2位の国営金融大手VTB(対外貿易銀行)が債務承継分を含めて35億ドル(約3300億円)で買収することで合意したが、携帯電話サービス大手モバイル・テレシステムズ(MTS)と同業大手ビンペルコムの2社連合がVTBの買収金額を約30%上回る42億5000万ドル(約4000億円)を提示して名乗りを上げて買収合戦に発展している。ロシアのニュースチャンネルRT(電子版)などが3月29日に伝えた。

テレ2ロシアはロシア国内4位の携帯電話会社で、契約者数は2300万人。VTBは3月24日にテレ2ロシア本体を24億ドル(約2300億円)、負債承継分を11億5000万ドル(約1100億円)で買収することで合意したが、その後、MTSとビンペルコムの親会社であるロシアの複合企業大手アルファ・グループが買収に動き出している。

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【インドネシア‐4月2日】石炭大手バヤン、2012年度最終利益は73%減に

インドネシア石炭大手バヤン・リソーシズが3月31日に発表した2012年度連結決算で、最終利益が前年比72.85%減の5660万ドル(約53億円)に急減した。これは、前年度(2011年度)は企業買収効果で2890万ドル(約27億円)の利益増加要因があったが、2012年度はこうした増益要因が剥落したため。

また、売上高も前年比5.3%減の14億2000万ドル(約1335億円)と、減収減益となっている。売上高のうち、石炭の売り上げは全体の99%の14億1000万ドル(約1325億円)を占めた。他方、費用は同8.4%増の11億6000万ドル(約1090億円)となり、その結果、租利益は同41.2%減の2億5873万ドル(約243億円)となった。

バヤンは2010年12月にオーストラリアの同業大手カンガルー・リソーシズを買収することで合意している。

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【ベトナム‐4月2日】政府幹部:中銀の不良債権買い取り会社の発足は4月末にずれ込む

ベトナムのブー・ドゥク・ダム政府官房長官は3月31日、記者団に対し、銀行の不良債権の買い取りを目指すベトナム中央銀行(SBV)独自の資産管理会社(AMC)の発足が4月末にずれ込むとの見通しを明らかにした。地元金融情報サイト、ストックスプラス(電子版)が外国通信社の報道を引用して伝えた。

これより先、中銀のグエン・バン・ビン総裁は3月下旬にAMCが発足できるとの見通しを明らかにしたが、先週には国家財政金融政策審議会のレー・スアン・ギア委員は、発足は3月末になると延期される見通しを明らかにしていた。

ダム長官は会見で、ベトナムのグェン・タン・ズン首相がAMCは銀行の不良債権をどのくらい処理できるのかについて、中銀と財務省、計画投資省の関係省庁が早く試算結果をまとめるよう指示した、と述べている。AMCの発足が2度も延期されたことについて、ベト・キャピタル証券のトゥ・ブー調査部長代理は、「(AMCの発足の遅れは)市場にとって良いニュースではない。AMCは市場のセンチメントに大きな影響を与えるだろう」と、失望感を示している。

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【ベトナム‐4月2日】塗装鋼板大手ホアセン鉄鋼、タイに波形鉄板工場建設へ

ベトナム塗装鋼板大手のホアセン鉄鋼グループは先週末、タイの鋼板メーカー、アッサバ・メタル(Asava Metal)とBKメタルシートと共同で、タイ国内に波形鉄板の生産工場を建設することで合意し了解覚書(MOU)に調印した。ベトナム通信(電子版)が1日に伝えた。

ホアセンは先週末、ベトナムのブン・タウ省にあるホアセン・フーミー・スチールシート工場内に新設した4番目のメッキ設備の操業を開始している。このメッキ設備は最新技術の無酸化炉を採用しており、年間12万トンの亜鉛メッキが可能。

また、大手ホアセンはアッサバと、タイで自社ブランド製品の販売を促進することでも合意した。

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【ブラジル‐4月2日】財務省、今年末まで自動車減税措置延長へ

ブラジル財務省は先週末、昨年5月に導入された自動車取得時に支払う工業製品税(IPI)の減税措置を今年12月まで1年間延長する方針を明らかにした。オ・エスタド・ジ・サンパウロ紙(電子版)が3月30日に伝えた。

減税措置は昨年12月末で期限切れとなり、今年から7月までに段階的に元の高い税率に戻ることが決まっていた。今度の減税延長決定で、今年末までエンジン排気量1リットル未満の自動車の税率は2%(元の税率は7%)、1‐2リットル車は7-8%(11-13%)、軽商用車は2%(8%)のまま維持される。財務省では、4‐12月の減税規模は22億レアル(約1020億円)に相当するとしている。

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【ブラジル‐4月2日】中銀週報:2013年GDP伸び率、3.01%増に上方修正

ブラジル中央銀行が1日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した同国の2013年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは従来(前週)予想の前年比3%増から3.01%増へ上方修正された。1カ月前の見通し予想は3.09%増だった。2014年のGDP伸び率見通しは従来予想の前年比3. 5%増のまま据え置かれた。据え置きは3週連続。1カ月前の見通し予想は3.65%増だった。

一方、IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2013年は前週予想の前年比5.71%上昇のまま据え置かれた。1カ月前の予想は5.7%上昇だった。しかし、2014年の見通しは前週予想の5.6%上昇から5.68%上昇へ下方修正(悪化方向)された。下方修正は3週連続。1カ月前の予想は5.5%上昇だった。

2013年末時点の政策金利(翌日物金利誘導目標)の見通しは、前週予想の8.5%のまま据え置かれた。前週まで3週連続で引き上げられていた。また、2014年末時点の政策金利も前週予想の8.5%のまま据え置かれた。据え置きは2週連続。

為替レートの見通しについては、2013年末時点のレアルの対ドルレート(中央値)は、従来予想の1ドル=2.00レアルに据え置かれた。据え置きは5週連続。2014年末時点の見通しも従来予想の2.05レアルに据え置かれた。据え置きは2週連続。 (了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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