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ノート(259) 長期の勾留や服役で運転免許証やマイナンバーカードはどうなる?

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

受刑380/384日目(続)

運転免許証はどうなる?

 この日、6本目に視聴したのは「交通安全教育」というタイトルのVTR教材だった。前半は酒を飲んで車を運転し、死亡事故を起こして逮捕され、長期にわたって服役することになった受刑者の手記を再現ドラマ化していた。

 少しくらい飲んで運転しても警察に見つからないし、事故を起こすこともないはずだという勝手な思い込みから、取り返しのつかない重大な結果を起こしてしまい、後悔しても後悔しきれないといった受刑者の思いが描かれていた。あたかも運転免許センターで免許更新の講習ビデオを見ているかのような錯覚を覚えた。

 VTR教材の後半は、道交法に関する直近の改正内容や出所後の運転免許に関する手続について解説したものだった。刑期が長いと「浦島太郎」状態で社会復帰することになるから、出所の直前にこうした情報に接することには意義がある。

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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