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ノート(228) 仮釈放に向けた地方更生保護委員会による面接の内容

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~続・工場編(21)

受刑303/384日目(続)

取調べ室と面接室

 取調べ室で分類統括によるレクチャーが終わると、そのまま事務棟にある面接室まで連行された。

 取調べ室は6畳くらいの部屋の真ん中に小さめの事務机がポツンと一つ置かれているだけだ。これを挟んで受刑者は部屋の奥側、刑務官は部屋の手前側に座る。部屋の奥、すなわち受刑者の背中側の壁には小さめの換気窓があるものの、鉄格子が設置され、逃げられないようになっている。

 床は病院や学校などと同じリノリウム材であり、経年劣化もあって、ところどころ剥げている。ほかには何も置かれておらず、実に殺風景だ。

 刑務官は、背もたれが付いた事務椅子に座る。一方、受刑者が座るのは背もたれのない硬い丸椅子である。

 この取調べ室は刑務所内のルールに違反した受刑者を懲罰に付すか否か判断する際に使われることが多い。受刑者が凶器として使うのを防ぐため、丸椅子はワイヤーで机と固定され、持ち上げたりできないようになっている。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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