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ノート(217) 映画「バイオハザード」の放映も 知られざる刑務所の年末年始

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~続・工場編(10)

受刑235/384日目

異例の面接

 この日は土曜だったが、午前中に取調べ室で幹部職員の面接を受けた。担当は処遇部で被収容者の処遇全般を統括している首席矯正処遇官であり、休庁日の面接は異例だった。

 質問の内容などから、面接の目的は僕の心情の把握にあり、法務省矯正局の指示によるものと思われた。というのも、この前日である12月16日に行われた証人尋問の際、特捜部による捜査の問題点などを証言しており、法務省や検察庁にとって頭の痛い話だったからだ。

 処遇首席には、そもそも前日の証言は検察官役の指定弁護士と打ち合わせた上でのものであり、予定どおりの展開だったと説明した。また、限られた時間の中で言いたいことを言えたので、気持ちの上では吹っ切れ、スッキリしたと述べておいた。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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